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日経平均2万円の背後にくすぶる相場急落の不安|今週のキーワード 真壁昭夫|ダイヤモンド・オンライン

 急ピッチの株価上昇に、実際の企業業績の拡大が追いつければよいのだが、あまりに期待先行しすぎると、そのギャップを埋めるために株価が大きく下落する可能性も考えられる。金融相場には、そうした脆さが共存している。


 また、わが国の株式市場では、年金資金運用機構(GPIF)や日銀、さらにはゆうちょなどの資金が株価の下支え役を果たしている。“官制相場”と言えるかもしれない。今後の株価動向には慎重な見方が必要だ。

 多くの投資家が株価動向に対して慎重なスタンスを取っている間、株価の急落は起こりにくい。


 そうしたケースでは投資家は、“おっかなびっくり”のオペレーションを行うため、短期間に持ち高を増やさない。持ち高が大きく積み上がらないと、相場が変調を来しても、一度に多額の売りオーダーが出にくいからだ。


 逆に、多くの投資家が強気に傾き、全員参加型で相場が押し上げられるとき、相場は意外と脆弱だ。皆が強気なため、多くの投資家は持ち高を目いっぱい積み上げる。


 ところが、予想外の材料をきっかけに株価が下がりだすと、多くの投資家が、一斉に積み上げたポジションの売りに走る。そのため、相場は短期間に大幅に下落する。それが相場急落のメカニズムだ。

 株価の基礎は基本的に企業業績だ。金余りであろうと、公的資金が株を買おうと、やや長い目で見ると、最終的に株価は企業の儲けに連動するはずだ。その視点を忘れるべきではない。


 足元で円安傾向が続いていることもあり、当面、わが国の大手企業の収益状況は安定しているものの、為替相場の動向によってはその方向性が変わることも考えられる。4月の日銀の短観でも、企業経営者の景気の先行きに関する見方はかなり慎重だった。そうした慎重な見方の背景には、円安トレンド変化に対する懸念があるとも考えられる。

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