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宮崎駿監督 安保関連法案「もっと違う方法を」 NHKニュース

宮崎監督は、アメリカ軍普天間基地の移設計画に反対する団体の共同代表を務めていて、外国特派員協会の主催で13日、東京・小金井市スタジオジブリの事務所で会見を開きました。
このなかで、宮崎監督は普天間基地の問題について、「沖縄の半数以上の人たちが辺野古に基地を作ることに反対している」としたうえで、「沖縄の人たちが基地を撤去したいと思っていることを伝えたい」と、基地の移設に反対する考えを強調しました。
また、国会で審議が進む安全保障関連法案に関連して、「軍事力で中国の膨張を止めようとすることは不可能だと思う。もっと違う方法を考えなくてはならない。そのために、私たちは平和憲法を作ったのだと思います」と述べました。
そのうえで、憲法については「私より少し上の世代にとって、平和憲法は光がさし込むような体験だった。平和憲法は占領軍に押しつけられたものでも、国際的に孤立したものでもありません」と述べました。

【全文】「世界がもっと根元の方でみしみしと悪くなっていくようです」〜宮粼駿監督が会見

ー今週は、日本にとっては重要な一週間です。国会では安保法制の議論が進みまして、16日には採決される見通しです。安倍政権は、日本の安全保障を確保するために必要だと言っていますが、どう思われますか。


話が飛ぶようですが、イラク戦争が起こった時、日本のテレビジョンで、あるイギリスの政治学者がインタビューに答えていました。


その内容をかいつまんでお話しますと、"この戦争の結果、アメリカはアフガニスタンイラクから自分の牧場に帰ることになるでしょう。そして、世界は一段と混乱するでしょう"と言いました。


今、安倍政権のやっていることは、そのことを考えてどういう方法を取るかだと思います。私は正反対の方が良いと思いますが、つまり軍事力で中国の膨張を止めようとするのは不可能だと思います。もっと違う方法を考えなければいけない、そのために私たちは平和憲法を作ったんだと思います。その考えは今も変わっていません。

ーよくわからないのは、原発政策について、安倍首相の人気は低い。しかしながら選挙では必ず勝ちます。その理由は日本の左翼、リベラル派があまり強くない現状があるのではないか。監督もクリエイターでインテリなので、どちらかといえばリベラル派に属していると思いますが、なぜ日本では左派が大きな政治的な力を結成できないのだと思いますか。


民主党の最初の総理は、沖縄の基地の問題についても、"日本全体で背負うべきで、沖縄だけに負担させるのは間違いである"、とはっきり言った方です。しかし、たちまち党内の勢力争いで引きずり降ろされた。そして、その後、地震原発と立て続けに災厄に見舞われて、その混乱の中で、とうとう自民党がずっとやりたくてもやれなかった消費税を民主党が決める羽目になってしまったんです。


この結果、長い政治的な無力感、不信感がこの国にはびこったんだと思います。自民党過半数の支持を得たのではなくて、多くの人間が投票しなかったことによって天下を獲ったんです。ですから、また変わります。永続的なものではないと思います。

ー安保連法案も多くの国民はよくわからないと言っていますし、憲法学者のほとんども反対だと言っている。強制採決されようとしているそのやりかたも疑問視されている。そしてまた自民党の一部の会合で沖縄の新聞に対すする発言もありました。少しずつ民主主義が壊れていっているのではないかという人がいます。監督は、表現をする立場としてどうお感じになっていますか。


もともとその程度のレベルのひとたちなんです。それが自分たちが数が多いと思ってのさばって姿を現しただけだと思います。

文部科学省が、すべての人文社会科学を廃止する方針を打ち出しました。その方針についてはどう思いますか。


歴史というものに対する感覚がひどく鈍くなっているんだと思います。いま、歴史のある場所にいるんだという感覚が鈍くなっていて、このままずっと続くんだろう、みたいな感じがこの国に蔓延しているんだと思いますね。


第二次大戦の後、日本は冷戦の狭間で、保守と革新というのは、民主主義か社会主義かというそういう冷戦構造のなかで揺れ動いてきたんです。それが冷戦が終了したあと、つまりソ連が崩壊した後、はっきりとした根拠、つまり保守と革新を分ける根拠を失ったんだと思います。その再建がまだ革新の側にできていないんだと思いますよ。

日本国憲法は、やはり占領国が日本に押し付けたと言われています。しかし、今回の動きを見ていると、日本人はこの憲法を非常に深く愛しています。どうして日本人はこんなに強い思いを憲法に持っていると思いますか。


15年に渡る日本の戦争は、惨憺たる経験を日本人にも与えたんです。300万人の死者です。この経験は、多くの、つまり私たちのちょっと上の世代にとっては忘れがたいことです。


平和憲法というのは、それに対する光が差し込むような体験であったんです。これは今の若い日本人にはむしろ通じないくらいの大きな力だったんです。平和憲法というのは。


平和憲法というのは、占領軍が押し付けたというよりも、1928年の国際連盟のきっかけにもなった不戦条約の精神を引き継いでいるもので、決して歴史的に孤立しているものでも、占領軍に押し付けられただけのものでもないと思うんです。

ー戦後70年という節目の年ですが、監督から見ればあの戦争、あれは70年前のあの歴史は一体どういうものだと思いますか。あれからどういう教訓が得られたと思いますか。


あの戦争に至る前どこで止められたんだろうという風によく考えます。そうすると、だんだん遡っていって、ついに日本とロシアの戦争にまで至ります。実はその前に日清戦争というのもありますが、これは結局、東アジアにヨーロッパが来て、大砲で開国を迫ったことによる、"文明の衝突"から始まったんです。でも、それを言っていると、責任が曖昧になります。


ですから、僕はやっぱり、やっていけないことはやっていけいないんだということでしかないんじゃないかと思います。他国を自国のための犠牲にして侵略することは、絶対やってはならない。どんな理由をくっつけても、どんなに美化しても美化しきれない。その原則だけは絶対守るべきであると思います。侵略してはいけないんです。それで、私たちは島国ですから一番やりやすいはずです。

宮崎駿監督が安保法制を一刀両断!「安倍首相は愚劣」「軍事力では中国を止められない」|LITERA/リテラ 本と雑誌の知を再発見

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20150713#1436784116