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冥王星の謎に迫る 米探査機が最接近へ NHKニュース

冥王星に初めて近づくのは、NASAアメリカ航空宇宙局が9年半前に打ち上げた無人探査機「ニューホライズンズ」です。
NASAは13日、会見を開き、探査機が今月11日に撮影した冥王星の最新の画像を紹介したうえで、日本時間の14日午後9時前には冥王星におよそ1万2000キロの距離まで近づくと発表しました。
冥王星は1930年にアメリカの天文学者が発見した天体で、2006年に国際天文学連合が惑星の定義を見直すまで、太陽系の9番目の「惑星」とされてきました。
大きさは地球の月の3分の2ほどしかなく、今は「準惑星」と分類されていますが、周りを回る月が5つ見つかっているなど、さまざまな特徴があることで知られています。
NASAによりますと、探査機が14日夜、冥王星への接近に予定どおり成功したかどうかが分かるのは、およそ13時間後の日本時間15日午前で、さらに最も接近したときに撮影した画像が地球に届くのは、16日の未明以降になります。
探査機が冥王星に近づいてその姿をとらえるなど詳しい探査を行うのは初めてで、85年前の発見以来、多くの謎に包まれてきた冥王星の実態に初めて迫ることができると期待を集めています。

冥王星の直径はおよそ2400キロと地球の月の3分の2ほどの大きさで、太陽の周りをだ円形の軌道でおよそ248年かけて1周し、その太陽との距離は平均で59億キロ、最も近づいたときでも44億キロの距離があります。
発見された当初は、太陽系の惑星の中で最も遠いところにあると考えられ、アメリカの天文学者が発見した惑星だったことから特にアメリカの愛好家の間で人気があります。
冥王星という名前は、ギリシャ神話に登場する冥界の王を意味する「プルート」にちなんでつけられ、ディズニーの人気キャラクターも同じ「プルート」と名付けられるほど注目を集めました。
しかし1990年代以降、冥王星よりもさらに遠い領域に冥王星と似た特徴を持つ天体が相次いで見つかったことから、これらも惑星と呼ぶべきか、国際的に議論されるようになります。
そして2006年、国際天文学連合は惑星の定義を見直すことを発表し、これにともなって冥王星は、惑星ではなく「準惑星」と分類されるようになりました。
それでも、最初に発見したアメリカでの人気は衰えておらず、冥王星準惑星になった7か月前の同じ2006年に打ち上げられた今回の無人探査機、「ニューホライズンズ」による初の探査に大きな注目が集まっています。

太陽の周りを240年以上もかけて1周する冥王星は、地球の大きさの5分の1ほどしかない「準惑星」と呼ばれる天体で、その実態に迫ることは太陽系の成り立ちの解明にもつながると期待されています。
冥王星がある太陽系の領域には、同じ特徴を持つ天体が4つ発見されていて、このうちの1つ「エリス」は、冥王星とほぼ同じ直径を持つことが分かっています。
この同じ領域には、大小さまざまな天体が何十億個も存在していると考えられていて、太陽の光があまり届かないことなどから、太陽系が誕生したころの天体が当時のままの姿で残っていると考えられています。
今回の探査機、「ニューホライズンズ」は、7つの観測装置で冥王星の表面にある物質の性質などを詳しく調べる予定で、冥王星の月の1つである「カロン」についても同じように探査を行います。
冥王星を離れたあとは、この領域にある他の天体の探査も計画されていて、ハーバード大学で太陽系の成り立ちを研究しているスコット・ケニオン博士は、「冥王星は、惑星ができあがる過程で残った材料のようなもので、太陽系が形づくられた過程を知ることができる。今回の探査は太陽系の歴史を理解するうえで、今まで欠落していた重要な事実を明らかにしてくれるはずだ」と話しています。