ロシアのメドベージェフ首相は23日、経済閣僚や国防相、さらにロシア側で北方領土を管轄するサハリン州の知事代行などを集めて閣議を開き、北方領土と千島列島の開発について協議しました。
この中で、来年から10年間に700億ルーブル(日本円で1500億円規模)の資金を投入して港や空港の整備を進めるほか、新しい船やヘリコプターも導入して、人やものの交流を拡大させるとしています。
また、北方領土などを経済特区にして国内外から投資を呼び込むことを検討し、これまでの漁業だけでなく、鉱物資源の開発や農業、観光業の発展にも力を入れる方針を示しました。
さらに、「島々はロシアの国境を守る役割を果たしており、そのために駐留する軍の部隊に関心を寄せている」と述べ、関係する省庁に軍の施設の整備を進めるよう求め、現地を視察するために3度目となる訪問を行う考えを強調しました。
メドベージェフ首相は、大統領を務めていた5年前にロシアの国家元首として初めて国後島を訪れたほか、首相となった3年前にも再び訪問し、北方領土問題では日本に対して強硬な姿勢を見せています。