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アングル：ゴルフ会員権など「イエレン指標」、米景気回復裏付け | Reuters

整形手術件数に高級レストランの予約状況、あるいはゴルフ会員権相場──。利上げに臨もうとしているイエレン米連邦準備理事会（ＦＲＢ）議長がもしも、サンフランシスコ地区連銀総裁だった２００８年に着目していたこうした風変りなデータを用いた分析を通して今の米経済を見ても、はるかに明るい状況になったことが分かるだろう。

イエレン氏は当時、これらのデータから個人消費の落ち込みをいち早く察知したことで有名になった。

０８年の米連邦公開市場委員会（ＦＯＭＣ）では、消費者が整形手術を取りやめ、高級レストランは予約なしでも利用可能で、高級ゴルフ場の会員権の順番待ちリストも非常に短くなっているなどと説明。

議事録によれば、こうした変化に富んだデータが、くだけた口調で提示されたため、参加者からは笑いが起きた。ただ、裁量的支出の落ち込みは深刻な景気後退の前兆だというイエレン氏の指摘は、重大な点を突いたものだった。

その後イエレン氏はこれらのデータに公の場で言及したことはないが、現在はどれもが米景気の回復が着実になったことを示している。

サンフランシスコの整形外科医のマイケル・クリック氏が１週間に行う整形手術は約１６時間で、０８年の２倍に増えた。

サンフランシスコのベイエリアは不動産価格と賃金の伸びが米国内の他の地域より高い伸びになっている面はあるものの、米国整形外科学会のデータによると、米国全体でみても国民が１４年に整形手術に支払った金額は０７年以来高水準に達した。

サンフランシスコの南方４０マイルにある「パロ・アルト・ヒルズ・ゴルフ・アンド・カントリー・クラブ」の今年の入会金は２０万ドルで、景気後退が最もひどかった時期から２倍に上昇した。ただ、金融危機前の水準にはまだ戻っていない。

同クラブの入会担当ディレクターのジェニカ・グレーブス氏によると、新規会員の多くはシリコンバレーのハイテク企業に勤める若い家族で、「これほどの高額でも会員集めに支障はない」という。

またイエレン氏がかつて利用し、農家直送の食品を提供するスタイルの先駆けになったことで知られるバークリーのレストラン「シェ・パニッセ」のゼネラルマネジャー、ジェニファー・シャーマン氏によると、２人分のディナーが３５０ドル程度となるこの高級レストランで予約を取るのは以前よりも難しくなっている。

０８年には１月の火曜日の夜であれば１週間前に予約を入れることが可能だったが、今では夕食の時間を午後５時にでも設定しなければ平日に予約を取るのは難しいという。

富裕層の支出が危機前の水準かその近くまで戻っていることを示す数字にイエレン氏が特に重きを置くことはないだろうが、そうした数字をまったく無視することもないだろう。

パロ・アルト・ヒルズ・ゴルフ・アンド・カントリー・クラブのグレーブス氏は、富裕層の支出動向が他の所得層と同じく景気に連動しているのは間違いないと述べた。

#経済統計 #イエレン #FRB