ロシアのメドベージェフ首相は22日、北方領土の択捉島を訪問し、水産加工場や開業した空港を視察したほか、若者たちが島の発展について話し合うフォーラムに参加しました。このあと、メドベージェフ首相は記者会見し、今回の訪問によって「日本側から日ロ関係の悪化を懸念する声が出ている」と質問されたのに対し、「日本は隣国であり、友好関係を望む。しかし、ロシアの領土と関係づけてはならない」と答え、2国間関係と今回の訪問は別の問題だとの立場を示しました。
そのうえで、「われわれはロシアの領土だから訪問した。今後も訪問する」と述べ、北方領土は自国の領土だと強調したうえで、「北方領土には近代化した軍の部隊が必要だ」として、駐留する部隊の装備を近代化する考えを示しました。
一方、岸田外務大臣がロシアのアファナシエフ駐日大使を外務省に呼び、メドベージェフ首相の択捉島訪問について抗議したのに対し、ロシア外務省は声明を発表しました。声明では「日本政府の反応は第2次世界大戦の結果に異を唱え続けていることを表すものだ」と日本を批判し、北方領土は第2次大戦の結果、ロシアの領土になったとする従来のロシアの主張を繰り返しています。