アングル:中国失速でドイツの退潮鮮明、対中輸出の強さ裏目に | Reuters
中国への輸出は長年、ドイツ経済の力強さの源となってきた。ところが最近では、中国経済の急激な鈍化を受けて、対中輸出への依存度の高さが逆にドイツのリスクとなっている。
ドイツの中国との経済的な結びつきは、他の欧州諸国よりもはるかに強固なものだ。自動車メーカーを中心に、ドイツ企業はライバル諸国に先駆けて中国に進出し、より積極的な事業拡大を続けてきた。その結果、中国は今や、ドイツの輸出企業にとって主な成長の源になった。
ドイツ連邦統計局のデータによると、ドイツの輸出に占める中国の比率は、2007年には3.1%だったが、それが14年には6.6%に上昇して4位につけた。なお、14年のシェア1位は9.0%のフランスで、2位は8.5%の米国、3位は7.4%の英国となっている。
しかし、ドイツの対中輸出は今年、鈍化傾向が鮮明だ。ドイツ商工会議所のデータによると、ドイツの対中輸出は今年上半期は0.8%増と、債務危機に苦しむギリシャへの輸出と同じ伸びにとどまっている。
輸出はなお、ドイツ経済の成長の主なけん引役だ。第2・四半期のドイツの輸出は前期比2.2%増と、2011年第1・四半期以来の高い伸びを記録。国内総生産(GDP)の前期比0.4%増に寄与した。
ただ、中国を筆頭に世界経済が不透明感を増すなかで、ドイツは輸出偏重を改め、国内への投資に目を向けるべきときなのかもしれない。
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