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FRB、現時点でのインフレ目標引き上げにさほど効果なし=論文 | Reuters

米国の2人の研究者が29日公表した論文で、米連邦準備理事会(FRB)が1984年に4%のインフレ目標を設定していた場合、金融危機後の景気回復が1年早まった可能性があるが、現時点でのインフレ目標引き上げは経済効果をほとんど期待できないと指摘した。


金融政策の研究で知られるメリーランド大学のS・ボラガン・アルオバ氏とペンシルバニア大学のフランク・ショーフハイデ氏が、当地で開催された経済シンポジウムで論文を公表した。


ボストン地区連銀のローゼングレン総裁とミネアポリス地区連銀のコチャラコタ総裁は最近、景気悪化局面の利下げ余地を拡大するため、FRBインフレ目標を現在の2%から引き上げることを提案している。


論文は、FRBが1984年に4%のインフレ目標を設定していた場合、2007─09年の金融危機時に可能な利下げ幅がどれだけ拡大したかを分析。そのシナリオでは、インフレ率の平均的な水準への回復はかなり速くなり、国内総生産(GDP)の回復は実際よりも約1年早まる、と指摘した。


ただ両氏は、インフレ目標を引き上げるメリットは、ゼロ金利政策が必要になる時点まで経済を後退させるショックが起きる可能性に大きく左右されるとも指摘。その可能性は、今回使用したモデル上では0.1%以下と極めて低い、とした。


また、2014年初めにインフレ目標を引き上げた場合の経済効果をシミュレーションしたところ、非常にわずかなメリットしかなかったとし、「インフレ目標の変更は金利とインフレ動向に影響を与えるが、GDPの動向にはほとんど影響しない」と指摘した。


論文は「この分析は、FRBインフレ目標を現時点で引き上げても、政策変更を望ましいものとする実質的な効果はさほど期待できないことを示している」と結論付けた。


#FRB #リフレ