パレスチナは３年前から国連の加盟国に準ずる「オブザーバー国家」の地位が認められ、さまざまな国際条約にも加盟してきました。
こうしたなか、国連総会では１０日、国連本部に「オブザーバー国家」の旗を掲げることを認める、アラブ諸国などが提出した決議案の採決が行われました。
採決では、中東やアフリカの大半の国に加え、多くのヨーロッパ諸国や日本も支持に回り、「賛成」が１１９か国に上ったのに対し、「反対」はイスラエルやアメリカなど８か国にとどまり、４５か国が「棄権」して、賛成多数で採択されました。
採決にあたり、反対したアメリカのパワー国連大使は「国連にパレスチナの旗を掲げることは対話を通じた和平を遠ざけるものだ」などと批判したのに対し、賛成したフランスのドラットル国連大使は、「将来パレスチナ国家を樹立するという揺るぎない意志を示すものだ」と述べました。
決議を受けて国連本部では今月中にオブザーバー国家のパレスチナとバチカンの旗が、掲揚されることになります。
パレスチナのマンスール国連大使は記者団に対し、「国連加盟国とともに旗を掲げることは、パレスチナ国家が国際的に認められるための大きな一歩だ」と述べ、歓迎しました。
