世銀総裁 「米利上げで急激な混乱は起きない」 NHKニュース
アメリカのFRBは来週、金融政策を決める会合を開き、7年間にわたって続けている異例のゼロ金利政策を解除して利上げを始めるという見方が強まっています。
ワシントンで11日、記者会見した世界銀行のキム総裁は、FRBの利上げについて「イエレン議長のねらいが市場にうまく伝わり、利上げの可能性は十分に織り込まれている。急激な混乱が起きるとは考えていない」と述べ、利上げによって金融市場が急激に混乱するおそれは低下しているという認識を示しました。ただ、新興国経済を取り巻く状況は、原油など資源価格の下落や中国経済の減速で楽観できないほか資金の流出なども起きていると懸念を示しました。
そのうえでキム総裁は国によっては利上げで状況が悪化するおそれもあると指摘するとともに「新興国は今こそ、真剣に構造改革に取り組むべきだ」と述べ、債務の削減など経済の耐久力を高める備えが必要だとして対応を促しました。
一方、FRBに対しては「過去に実施した利上げに比べ、かなりゆっくりと引き上げられていくことを期待している」と述べ、新興国経済などにも配慮して時間をかけて利上げするよう求めました。