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北朝鮮への制裁決議 かつてない厳しい内容に NHKニュース

このうち、過去の制裁決議にはなかった新しい分野としては、各国から北朝鮮への航空燃料の輸出を原則として禁止し、北朝鮮からの金やチタン、レアアースなどの輸入禁止、石炭や鉄鉱石の輸入制限など、資源の取り引きを対象にした制裁が盛り込まれています。
また、従来の分野の制裁も強化され、これまでは北朝鮮の疑わしい貨物の検査が義務づけられていたのに対し、今後は港や空港などで北朝鮮のすべての貨物が検査の対象とされ、北朝鮮の外交官についても、活動を警戒するだけでなく、不正に関わっていれば国外に追放することなどが、定められています。
武器の密輸などへの関わりが指摘されている北朝鮮の船舶については、外国人が運航に関わることを禁じたり、制裁違反の疑いのある船舶の入港を禁止したりすることが定められました。
金融の分野を巡っては、各国が北朝鮮の金融機関の支店などの開設を禁止し、既存の支店についても制裁違反の疑いがあるものは90日以内に閉鎖すること、さらに、北朝鮮政府や朝鮮労働党が海外に所有する資産も制裁違反に関わった疑いがあれば凍結することが、定められています。
一方で、資源の輸出入や船舶や航空機の航行などさまざまな分野の制裁について、「市民生活上の必要性や人道上の理由が認められる場合は例外とする」という規定も設けられ、北朝鮮の市民生活や人道目的の活動を圧迫しないよう一定の配慮がなされています。

ことし1月に北朝鮮が4回目の核実験を強行したのを受けて、安保理常任理事国のうちアメリカが北朝鮮とのつながりの深い中国との交渉に入りました。しかし、厳しい制裁を求めるアメリカと、その実施によって北朝鮮が混乱に陥る事態を恐れる中国との交渉は難航し、当初、想定されていた先月前半までにまとめることはできませんでした。
交渉が停滞する中、北朝鮮は先月、事実上の長距離弾道ミサイルの発射にも踏み切り、アメリカや日本、韓国は安保理決議を待つことなく北朝鮮に対する厳しい独自制裁を打ち出します。国際社会の北朝鮮への批判の高まりを受けて中国も態度を軟化させて制裁に同意する姿勢を見せ始め、アメリカのケリー国務長官と中国の王毅外相とが会談を重ねた結果、先週、双方は北朝鮮に対するこれまでにない制裁を盛り込んだ決議の草案で合意に達しました。
ところが、アメリカが安保理に提出した決議案に対し、ロシアが最終局面になって「多岐にわたる制裁を精査する時間が必要だ」として速やかな決議採択に難色を示し、採決が延期されました。また、決議案の内容についても一部修正が加えられ、北朝鮮への航空燃料の輸出の禁止を定めた項目に、「北朝鮮の民間航空機が海外で給油を行うことは認める」とする例外などが設けられました。国連では、安保理でシリアやウクライナを巡りアメリカと対立してきたロシアが、北朝鮮を巡ってもアメリカ主導で決議案がまとまることに反発したとの見方が広がっています。
新たな制裁決議の採択に至るまでには、アメリカと中国の長い交渉に加え、ロシアとの調整にも時間がかかり、大国の思惑が錯そうする異例の展開をたどりました。