中国の税関当局が8日発表した貿易統計によりますと、中国の先月の輸出額は1261億ドルで前の年の同じ月に比べて25.4%減少し、8か月連続で前年割れとなりました。これは、欧米や東南アジア向けを中心に衣類や靴、それにスマートフォンの輸出が落ち込んだことなどによるものです。
一方、輸入額は935億ドルで、プラスチックや自動車関連などの輸入が低調だったことから前の年の同じ月より13.8%の減少と16か月連続の前年割れとなり、輸出、輸入ともに市場の予想よりも悪化しました。
この結果、輸出と輸入を合わせた先月の貿易総額は2196億ドルで、前の年の同じ月より20.8%減少し、大幅な落ち込みとなりました。
中国では去年、貿易総額が6年ぶりに減少し、6%程度の増加という政府の目標を大きく下回ったことから、中国の李克強首相は、全人代=全国人民代表大会でことしの貿易について「安定・好転させる」という表現にとどめ、貿易総額の数値目標は示しませんでした。
今回の統計は貿易の不振に歯止めがかからないことを示していて、中国経済は内需、外需の両面で減速が一段と鮮明になっています。
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