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法人企業景気予測調査は、財務省内閣府が資本金1000万円以上の企業およそ1万6000社を対象に3か月ごとに行っているものです。
それによりますと、ことし1月から今月にかけての景気の現状について「上昇」と答えた企業の割合から「下降」と答えた企業の割合を差し引いた指数は、大企業の全産業でマイナス3.2となり、3期ぶりにマイナスとなりました。これは、自動車メーカーでは北米向けの販売が好調であるものの、化学メーカーが原油価格の下落の影響で製品価格の値下げを迫られているほか、株価の下落をはじめとする金融市場の動揺や日銀のマイナス金利政策で金融業の収益の悪化が懸念がされていることなどによるものです。
また、この先のことし4月から6月にかけての見通しも、大企業でマイナス2.2となっています。
財務省では「企業の景況感には慎重さも見られるが、先行きについてはマイナス幅は縮小し、その後はプラスに転じる見通しで、景気は緩やかな回復基調が続いているという傾向を反映している」としています。

財務省内閣府が11日発表した1―3月期法人企業景気予測調査によると、企業の景況感を示す景況判断指数(BSI)は、大企業製造業でマイナス7.9となり、3期ぶりに悪化した。非製造業はマイナス0.7となり、7期ぶりに悪化した。


製造業・非製造業ともに足元の景況感は悪化。これは2014年度4─6月期の消費増税時以来のこととなる。


先行き4─6月期は大企業製造業でマイナス3.5となった。


全産業ベースの15年度の設備投資計画(ソフトウエア投資を含む、土地購入額を除く)は前年比8.8%増となり、前回調査(7.5%増)から上方修正された。


16年度は同6.6%減。リーマンショックの翌年の09年度の当初計画28.5%減以来の減少幅となった。


法人企業景気予測調査の景況判断BSIは前期に比べて景況感が「上昇」との回答構成比から「下降」との回答構成比を引き算したもの。日銀短観のDIが「良い」「悪い」といった水準を聞いているのに対し、この調査は景況感の変化の方向を聞く。調査対象は資本金1000万円以上の法人企業。

焦点:政府内に景気失速懸念、10兆円景気対策の声も 財務省は慎重 | ロイター

年明け以降の世界的な市場変動や国内経済における消費低迷に対し、政府部内で景気失速への懸念が急速に強まっている。一部の経済官庁関係者や安倍晋三首相の周辺では、10兆円規模の経済対策が必要との声が出てきた。


ただ、財務省を中心に安易な財政出動は、財政への信認失墜につながると反対する意見も少なくなく、安倍首相の判断が注目される。


増税延期と景気対策の組み合わせ案も浮上>


複数の政府関係者によると、「大規模な経済対策が必要」との認識が広がりをみせている。2015年末から懸念され出した消費の低迷は、16年1月以降も明確な回復の兆しがみえず、世界的な需要減退を背景に、企業収益の先行きも不透明感が濃くなっている。


2月26、27日に上海で開催された20カ国・地域(G20)財務相・中銀総裁会議では「政策総動員」が打ち出され、余力のある国による財政出動に道が開かれた。


政府部内では、5月の伊勢志摩サミット(主要7カ国首脳会議)でも世界経済動向がメーンテーマになり、財政出動の可能性をめぐって活発な議論が展開されそうだとの見通しが浮上している。


一方、日銀のマイナス金利政策導入後、10年最長期国債長期金利)JP10YTN=JBTCがマイナス圏まで低下。先行きの国債利払い費用が大幅に低減出来ると試算できるようになり、安倍首相の周辺では、この環境を利用して、積極的な財政出動を可能にする仕組みを作るべきだとの声も出ている。


こうした中で政府関係者の1人は「景気対策の規模は、5兆円では意味がない。10兆円ぐらいあったほうがいい」と述べている。


別の政府関係者は「10兆円規模の大規模な景気対策が必要との私案が、安倍首相の周辺や経済官庁の官僚からも複数から浮上している」と語る。


具体的には、何らかの給付措置や公共事業、所得税減税のほか、現行8%の消費税を引き下げる案なども効果的だとする意見が、安倍首相周辺から浮上している。


また、最も強硬な財政出動論者からは、消費増税延期と大型の経済対策をセットにするべきだとの意見も出ている。しかし、このケースでは、最大15兆円規模の財政出動になるため、実現可能性は低いとの声が多い。


こうした対策の中身と密接に関連するのが、財源問題だ。これまでのところ、1)自然増収だけを財源にする、2)赤字国債も発行する、3)外為特別会計など一部の特別会計から一時的に資金を融通する──などがアイデアとして挙がっている。  


一方、財務省だけでなく、他の経済官庁でも財政再建の基本方針を放棄したかのような政策スタンスは、日本国債の格下げリスクを増大させ、企業や金融機関のドル調達コストを上昇させ、企業部門の負担を増やしてしまい、景気拡大の障害にもなりかねないという批判が出ている。


また、安倍首相が繰り返している消費増税の延期条件であるリーマンショック並みの経済危機や、大規模な自然災害の発生との関連では「今はリーマンショック時や大震災のような非常時とは言い難い。しかも消費喚起策といっても効果的な策はない」(さらに別の政府関係者)という指摘も出ている。


3月中は16年度予算案を審議中で、景気対策や消費増税をめぐる議論を表だってしにくい局面。


だが、予算案成立後は、このような「制約要因」が消滅する。5月中旬には2016年1─3月期国内総生産(GDP)が発表され、マイナス成長なら2期連続となって「景気後退」ではないかとの懸念が噴出しかねない。安倍首相は経済成長と財政再建という難しい政策判断を迫れそうだ。

#経済統計 #アベノミクス