学部と大学院がなくなる! 東工大が数十年に一度の大学改革を決行!(山田久美) - 個人 - Yahoo!ニュース
現在、日本のすべての大学は、学部と大学院で構成されており、学部の中には学科、大学院の中には研究科が設置されている。しかし、東工大はこの4月から、日本の大学としては初めて、学部と大学院を統一した「学院」を新設する。
「東工大にはこれまで3学部23学科、6研究科45専攻があった。細かく複雑な組織な上、学科や専攻の名前も非常に分かりづらかった。同じ研究分野であるにもかかわらず、別の組織に分かれているものもあった。そこで、すべての学部、大学院を再構成し、6学院19系にした」(三島学長)
それに伴い、カリキュラムも一新。従来の学士専門科目や修士専門科目を撤廃し、「科目ナンバリング」を導入する。
科目は100番台から600番台まであり、高校卒業後の新入生は100番台から取り始める。科目ナンバリングは系統だっており、一気通貫しているため、学生は自分が進みたい進路や学びたい内容に応じて、どの科目を、どのような順番で取得していけばよいかがわかるしくみになっている。
加えて、近年、社会が直面している課題の多くが多岐にわたり、分野の融合領域が増えている中、従来の枠にとらわれず、自分の専門分野以外の科目であっても必要に応じて自由に取得できる拡張性と柔軟性も併せ持つ。
「科目ナンバリングの導入により、学生は、大学に入学した時点から、科学技術を通じて自分は何を果たすべきなのか、将来どのような形で社会に貢献していきたいのかを強く意識できるようになる。この新カリキュラムは、このような意識を早い時期から育成しようという強い意図をもって作成した。東工大を、しっかりとした知識と気概、高い志をもった人材を輩出する大学にしていきたい。それが、教育改革の最大の目的だ」(三島学長)
その他、一科目を短期間で集中的に学べるクォーター制や世界トップクラスの大学のカリキュラムと比較できるしくみなども設置する。