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労組に駆け込む「生き残れない高学歴社員」の共通点|日本に巣食う「学歴病」の正体|ダイヤモンド・オンライン

「労働者には、会社に送る抗議文を始め、様々な書類を書いてもらいます。それらを読むと、学歴や学力により、書く力に差を感じることがありました。学歴の高い人は、競争心も相対的に高い傾向があります。


 労働相談の場でこちらから学歴を聞くことはしませんが、話の流れの中で、相談者である会社員が口にすることがあります。その中には、東大や旧帝大クラスの高学歴な人もいます。彼らは、格別にしゃべりまくる傾向があります。一気にまくし立てる。自己主張は相当に強い。高学歴の人は話し続けることが多いのです。そのあたりの意志は、断固としています。会社から不当な行為を受けて、怒り、ストレスもたまっているだろうから、仕方がないことだとは思います」

「私がこの半世紀に接してきた、トップクラスの学歴を持つ会社員は、おおむね優秀でした。彼らの強力な武器は、事務処理能力です。素晴らしいものがあります。


 たとえば、人の話を素早く理解し、次々と報告書などをつくることができます。いずれもが精度は高い。他の大学出身者と比べると、そのレベルの高さは格別です。そして、彼らの多くは組織への順応能力が高いのです。たとえば、その場をわきまえた発言をして、適切な行動をとることができます。


 少なくとも、会社や官僚の世界では、成功する資質を十分に兼ね備えています。組織の上層部に反抗したり、反発することをまずしません。理不尽な扱いを受けたりしない限りは……。そこが彼らの素晴らしさであり、私にとっては面白くないところです

「私は以前、とても高学歴な人と東京管理職ユニオンの運営をしていた時期があります。彼は、私よりもはるかに理解力が高い。書く力や話す力、聞き取る力なども抜群に高い。事務処理能力も格別に高い。しかし、労組を動かす力や組合員たちを引っ張るリーダーシップなどを持ち合わせていませんでした。斬新な発想もなければ、行動力もない。


 ユニオンも激動の時代を向かえています。そのような時期には、彼らのような人がリーダーをやると組織が行き詰まります。今のように時代が激しく動くときには、組織への順応や事務処理能力よりもはるかに必要なものがあります。その意味で、高学歴な会社員の評価は次第に変わっていくように私は考えています」

「目には見えない学力」には根深い問題もある。この力が高い人を観察していると、学校教育での教えに強い影響を受けていると思えることが多い。たとえば、10代の頃は、教師や親の言うことに無批判に従い、とりあえずはその場を取り繕おうとしてきた人が目立つように思える。そうでないと、一定の成績を収めることは難しいだろう。


 これらは、人が生きていくために不可欠な力である。しかし一方で、自分の考えや思いを実現しようとするための野心やエネルギーを奪うことになりかねない。「目には見えない学力」の高い人が企業社会に入れば、上司や役員、経営者などの指示・命令に素直に従う傾向が強い。これも組織人として大切なことであるのだが、好ましいことばかりとは言えない。

「確かに、日本の小学校から高校までの教育に、社畜養成の一面があることは否定できないと思います。その傾向は、特に管理教育が進んだ1970年代から顕著です。東京管理職ユニオンに相談に来る人も、大企業から中小企業までの管理職が多く、比較的学歴も高く、しかも、長い間に会社に飼いならされてしまっている傾向があるので、おとなしい人が多いのです。目の前の問題にあまりにも受動的であり、闘うことはもちろん、会社に何かを言うことすらできなくなっています。完全な社畜になってしまっているのです。


 たとえば退職強要を受けても、『自分としてはどうしたいのか』を言わない。相談員である私たちが、様々な質問をして、真意を聞き出さないといけないのです。特に高学歴な会社員は、小さな頃から学校などで、きちんとしつけられています。教師や親の言うことを聞き、成績を上げるために勉強をひたすらしてきた人が多い。決して反抗することをしないのです。


 私が接していると、トップクラスの学歴を持つ人たちはその傾向がとても強いように思います。官僚や企業、政治などの分野でリーダーを養成するためにつくられた大学なのだから、組織に順応性のある人が増えるのは当然のことでしょうが……。そんな権威的な体質が面白くないと反抗する人も、少数ですがいます。管理職ユニオンに相談に来るのは、そのような人なのだと思います」

 設楽さんは、労働相談の現場にいると、企業内での学歴の扱いが変わってきていることを感じ取ることが多いという。


「難易度の高い大学を卒業し、大企業に勤務し、定年を迎えた人が相談に来ることがあります。本人が話す限りでは、人事部などから60歳以降の雇用延長を認めてもらえないようなのです。同世代の多くは、60歳以降も働くことが認められているのに、自分の扱いはおかしい、という訴えです。最近は、こういうケースが増えています。話を聞いていくと、『学歴があったことで長い間、随分社内では守られていたのだな』と思います。今は、そんなことが許されない時代になっています。中小企業では、このような人を60歳まで雇うことはなかなかできません。


学歴があろうとなかろうと、勉強を続けないといけない。学べる人は、学歴が低くても認められていく時代になりつつあるのです。人はどこに行っても、学ばないといけない。ユニオンに来ても『学び』ですよ。私は70歳を超えても、相談者から学ばせてもらっています。高学歴であろうとも、学ぶことをしなければ意味がないのです」

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20120412#1334225952

#幸せ者