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　滋賀県長浜市の漁港で昨年７月、滋賀県立定時制高校生の金沢泰良（たいら）さん＝当時（１６）＝が知り合いの少年に突き落とされ溺死した事件で、金沢さんの遺族が２９日、現場にいた少年３人と各保護者の計７人に対し、慰謝料など損害賠償約９千万円を求め、大津地裁長浜支部に提訴した。

　訴状などによると、少年らは共謀し、金沢さんが泳げないことを知っていながら足の届かない琵琶湖に突き落としたとしている。事件を隠蔽（いんぺい）しようとした悪質性も指摘し、保護者に対しては監督責任を問う。

　事件では、同市港町の大島漁港で、金沢さんの体を押して突堤から湖に転落させ死なせたとして、いずれも当時１８歳の少年３人が傷害致死容疑で県警に昨年９月に逮捕された。その後、大津地検は３人のうち２人を不起訴にし、１人を大津家裁へ送致。家裁は少年院送致の保護処分とした。

　金沢さんの母親（４４）＝長浜市＝は「大切に育ててきた息子を突然奪われた。民事裁判を通じて、少年たちには１人の命を奪ったことを自覚してもらいたい」と話している。