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ロシアのノバク・エネルギー相は20日、同国は原油生産を過去最高水準に引き上げることが可能だ、との見方を示した。


ロシアを含む主要産油国は17日、カタールの首都ドーハで原油市場安定に向け協議したが、原油価格の押し上げを狙った増産凍結では合意できなかった。サウジアラビアが、イラン抜きでの増産凍結に反対したことから、協議が決裂した。


ベネズエラは、協議が再開しなければ、原油価格は数週間以内に崩壊する可能性がある、と警告している。ベネズエラとロシアは今年2月から増産凍結を主張してきた。


一方、サウジアラビアは、原油生産を最大200万バレル引き上げ、日量1200万バレル以上にすることが可能だ、としている。


ノバク・エネルギー相は、エネルギー関連会合の合間に記者団に対して「サウジアラビアは生産を大きく引き上げる能力があるが、そわれわれも同じだ」と述べ、ロシアの原油生産は現在、過去最高の日量1100万バレル近くに達しているが、「理論的には」それを日量1200万バレル、もしくは同1300万バレルまで引き上げることが可能だ、と語った。


また、石油輸出国機構(OPEC)が次回6月の会合までに原油の生産量に関して合意できるかは不明だ、との見方を示した。

イランの原油市場シェア回復に向けた決意は固く、過去に1バレル=6ドルの水準で原油を輸出したこともあることから同国は原油安に耐えられるとの姿勢を示していることが、関係筋の話で明らかになった。


イランの原油政策に関わりのある同関係筋は、「イランの原油産業の国内総生産(GDP)に占める割合は12%に過ぎず、(イラン・イラク)戦争勃発の際は1バレル=6ドルで輸出していた」とし、イランは核開発をめぐる西側諸国の制裁により失った市場シェアの回復を目指していると述べた。


そのうえで、サウジアラビアとロシアが主要産油国間の合意を阻んでいるとし、石油輸出国機構(OPEC)の6月の次回総会で供給の制限に向け合意できるかは両国の出方にかかっているとの見方を示した。


主要産油国は17日にドーハで開いた会合で原油価格の下落に歯止めをかけるための増産凍結について協議したが、イランが凍結に応じず、サウジアラビアがイラン抜きでの増産凍結に反対したことから合意に至らなかった。これを受け、ロシアは原油供給を増加させることもあると示唆している。

焦点:予測不能なサウジ原油政策、主導権を握っているのは誰か | ロイター

原油市場で過去20年にわたり絶大な影響力を誇示してきたサウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相は、もはや同国を代表する「権威」ではないようだ。


ベネズエラのデルピノ石油相はそれを肌で感じ、いま主導権を握っているのは誰なのか見極めようとしている。


17日、カタールの首都ドーハで開かれた会合で、石油輸出国機構(OPEC)加盟国、非加盟国合わせた18カ国が、増産凍結の合意文書に署名するのは既定路線だとみられていた。しかし土壇場でサウジが反対し、交渉は決裂。産油国の閣僚がヌアイミ氏にいくら再考を促しても、イランが加わらない限り、サウジは増産凍結できないとの一点張り。楽観視された合意は泡と消えた。


翌18日、デルピノ石油相は「残念ながら、サウジ代表団は何の権限も持ち合わせていなかった」とモスクワで記者団に語った。


「ヌアイミ氏でさえ、変える権限はなかった。サウジ側は『新たな文書を用意した。これを承認するか、さもなければ参加しない』と言うだけだった」とし、「純粋に政治的な判断のようだ。オマーンイラクはじめ、誰もが落胆した。ある閣僚はこんなひどい会合は初めてだと話した」と語った。


サウジで昨年、サルマン国王の息子で王位継承順位2位のムハンマド副皇太子(31)が石油問題の最高責任者となってから、OPECの内外を問わず、デルピノ石油相のように違和感を覚えた産油国の関係者は後を絶たない。


サウジやOPECウォッチャーによると、石油政策の最終決定権が、国防問題と経済改革も任されているムハンマド副皇太子にあることはほぼ間違いないという。


しかし何十年も前から、ヌアイミ氏という1人の実務家の歯切れよい発言を通して、サウジの政策を知ることに慣れていたため、発言の出所が分散することは透明性どころか、混乱を招くことになる。


ムハンマド副皇太子だけでなく、異母兄で石油鉱物資源省の次官に就いたアブドルアジズ王子や、国営石油会社サウジアラムコのハリド・ファリハ会長からも発言が飛び出す状態だ。


これに加え、引退の噂がささやかれる81歳のヌアイミ氏自身もまだ存在感を保っている。

関係筋によると、サウジの同盟国である湾岸諸国は、17日の会合でいち早くヌアイミ氏の援護に回ったものの、彼らにとってもサウジの決断はまったく寝耳に水だった。今までなら、クウェートアラブ首長国連邦(UAE)、カタールに事前に相談するのが常だったからだ。


会合のある関係者は、ヌアイミ氏自身も計画の変更を直前まで知らされていなかったと推測している。「土壇場で決まったに違いない。さもなければ、ヌアイミ氏は会合に来なかったはずだ。彼は合意するつもりで出発したが、ドーハに降り立つと同時に合意するなと言う別の指示を受けたのだ」と話す。


関係筋によると、会合の前日まで、アブドルアジズ王子は、周囲に合意は成立すると話していたという。


カタール政府関係者も、イランが参加するかどうかに関わらず、合意文書に署名することで、サウジのムハンマド副皇太子の同意を取り付けたとしていた。


増産凍結合意に加わるつもりだったロシアにとって、サウジの翻意はやはりサプライズだった。17日の合意に自信満々だったノバク・エネルギー相は、前日の大半を政府のサッカーチームの一員としてイタリアと対戦することに費やしたほどだった。


ドーハ会合に出席したノバク氏に近い関係者は「1日が終わるころには、交渉相手がヌアイミ氏なのかムハンマド副皇太子なのかわからなくなっていた」と打ち明ける。「もちろんサウジとの話し合いは続けるが、あまりにも難しくなった」と語った。

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