米景気刺激に向け、QE通した「ヘリコプターマネー」必要=グロス氏 | ロイター
資産運用会社ジャナス・キャピタル・グループの著名債券投資家ビル・グロス氏は、米経済の刺激に向け実施される次回主要な金融・財政政策には、量的緩和(QE)を通したいわゆる「ヘリコプターマネー」が含まれる必要があるとの考えを示した。
グロス氏は4日に公表された投資見通しレポートで、連邦準備理事会(FRB)と財務省は新たなQE措置を実施する必要があると指摘。「ヘリコプターから金をばらまく」必要があるとし、こうした措置が実施されなければ財政緊縮措置に苦しみ、景気後退(リセッション)が長引くことになると警告した。
「ヘリコプター・マネー」構想は、ヘリコプターから現金をばら撒くように中央銀行が国民に直接現金を支給することで景気浮揚とデフレ脱却を狙うもので、1969年に経済学者のミルトン・フリードマン氏が提唱した。
グロス氏はFRB、欧州中央銀行(ECB)、日銀、イングランド銀行(英中央銀行)の景気下支えに向けた国債買い入れ策に言及。こうした中銀は銀行券を発行することで国債を買い入れており、「言ってみれば、ヘリコプターから現金をばら撒いているようなものだ」と述べた。
中銀によるQEを通した「ヘリコプター・マネー」の支給は今後増えるとの見方を示し、米国でも約1年以内にこうした措置が取られる可能性があるとした。
ただFRBが新たなQEを実施すれば、財政政策と金融政策との間の垣根が一段と不明瞭になり、FRBの独立性が損なわれる恐れがあると指摘。「イエレンFRB議長はこうした変化は望まないだろう」とした。
グロス氏はまた、低金利環境は長期化すると予想。ある時点で物価上昇が引き起こされ、市場に対するリスクになるとの見方を示した。
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— Janus Capital (@JanusCapital) 2016年5月4日
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