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なぜ旧友には100万円貸せないのか? ファイナンス理論の基本「金利」についてまなぶ|あれか、これか ― 「本当の値打ち」を見抜くファイナンス理論入門|ダイヤモンド・オンライン

旧友がいきなり訪ねてきて「何も言わないで100万円貸してくれ。絶対に返す」と言ってきたとしたら、あなたはどうするだろうか? 一方で、私たちは平気で銀行に100万円を「預けて」いる。

新築のほうが20年も長く貸し出せるのに、なぜ中古とさほど価値が違わないのだろうか?


答えから言えば、これは金利が存在するからだ。ある程度の金利が存在する世界では、キャッシュフローの継続期間が長くなっても、その現在価値はあまり増えない。この事例では金利は6%と仮定していた。
それに基づいて現在価値を割り出すと、50年後にもらえる300万円は、現在から見ればなんと約16万円の価値しかないのである。

その意味では、ファイナンスの世界では「100年」も「1000年」も「永遠」もほぼ同じく「遠い未来」と考えていい。つまり、金利のある世界では、キャッシュフローの継続期間よりも金利の絶対水準が大きな影響を与えるのである。「金利の見極めが価値評価を決める」と言ってもいいのだ。


世の中の多くの金融商品は、金利(割引率)という重大なポイントを(おそらくは意図的に)無視し、キャッシュフローの総額(額面)だけに注目させることでその魅力を打ち出している。

金利(割引率)がどのように決まるのかを理解するためには、そもそも金利とは何なのかをしっかりと把握するのがいちばんだ。

金利とは、あえて丁寧な言い方をすれば、「一定の期間にわたって現金(キャッシュ)を手放すことで生まれるデメリットに対する見返り」である。

Oくんに100万円を貸すことで、あなたにはいろいろなデメリットが生まれるはずだ。まず、買うつもりだった軽自動車を1年我慢しないといけなくなる。手に入ったはずの自動車をどうして1年も我慢しなければならないのだろうか?


困るのはそれだけではない。本当にこの男は信頼できるのだろうか? もし彼が無類のギャンブル好きだとわかっていれば、1年後に100万円の利息(金利100%)がついたとしても、あなたは貸すのを渋るであろう。「1年後に彼が返してくれるかもしれない200万円」よりも、「目の前の確実な100万円」のほうが価値が高いと考えているわけだ。

なぜ大学時代の友人であるOくんには金を貸さないのに、赤の他人がやっている銀行には平気で(しかもごくわずかな見返りで!)大金を貸せてしまうのだろうか?


もちろん、銀行がしっかりとお金を返してくれると知っているからである。これをファイナンス用語で信用という。


確実にお金を返せる信用が高い人にお金を貸すとき、僕たちはそれほどの見返りを求めない。信用が低くなればなるほど、求める見返りは多くなる。そうしないと割に合わないからだ。


たとえば、銀行が貸し出す住宅ローンの金利は比較的低い。借り手は住む場所を維持するために、何としてもお金を返そうとするからだ。それに、いざ返せなくなったら担保にしている家を差し押さえればいい。つまり、貸し手としても取りっぱぐれる可能性が低いので、住宅ローンの金利は低くなるのである。


他方で、消費者金融金利は高い。これは貸し倒れ、つまり貸したお金が返ってこない可能性が高いからだ。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20160509#1462790469
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20091124#1259051734(「信頼の崩壊」)