アメリカはNATOのミサイル防衛システムの一環として、東ヨーロッパのルーマニアで12日から、地上配備型の迎撃ミサイルの運用を始めたのに続き、13日にはポーランドで関連施設の建設を開始しました。
これについて、ロシアのプーチン大統領は13日、アメリカの核戦力を強化するもので、アメリカと旧ソビエトが冷戦時代に調印したINF=中距離核ミサイル全廃条約に違反すると指摘しました。そのうえで、「国際的な安全保障の構図を揺さぶるもので、新たな軍拡競争のスタートにつながる」と述べ、アメリカの対応を強く批判しました。そして、ロシアは軍拡競争に巻き込まれないとしながらも、「戦略的なバランスを維持するために必要なことはすべて行う」と述べて、対抗措置をとる考えを示しました。
ロシアはウクライナからクリミアを併合したあと、アメリカが主導するNATOがロシアとの国境近くで軍事力を増強していると批判していて、バルト海の上空で米ロの軍用機が異常接近するなど、双方の間で対立が深まっています。