ライアン米下院議長は9日、大統領選挙に向け、国防強化を軸とした共和党の安全保障政策を発表した。
オバマ大統領を厳しく批判し、シリア内線、イランとの核合意、ロシアとの関係悪化、北朝鮮対応などをめぐり民主党の政権運営を「約束破り、譲歩、後退の8年」と切り捨てた。
イラン合意やキューバとの国交正常化など、大統領支持者が外交面での功績とする政策も見直す方針を示した。
国防予算については、具体的な数字は示していないものの、縮小をやめ「適切で予測可能な予算」を求めるとしている。
大統領選の共和党候補指名が確実となったトランプ氏の主張を見直す内容も盛り込まれた。メキシコ国境沿いに巨大な壁を築くことは求めず、高いフェンスや空中監視、レーダーなどによる国境管理強化を提案した。
一方、トランプ氏のイスラム教徒移民をめぐる懸念には一部同調し、移民審査の強化や若者の過激化阻止に向けた議論を主張した。