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オバマ大統領 トランプ氏の主張を厳しく批判 | NHKニュース

アメリカ南部フロリダ州の銃乱射事件を受けて、大統領選挙に向け共和党の指名獲得を確実にしているトランプ氏は、イスラム教徒の入国を禁止すべきだと改めて主張するとともに「『過激なイスラム教徒』ということばを使わないオバマ大統領は辞任すべきだ」などと訴えています。
これに対してオバマ大統領は14日の記者会見で「そのことばを使えば、何か達成できるのか。すべてのイスラム教徒を同じように扱い、その宗教全体と戦争状態にあると示唆すれば、テロリストの思うつぼだ」と反論しました。
そのうえで「共和党員はイスラム教徒の入国禁止に賛成しているのだろうか。それは、われわれが望むアメリカではなく、民主主義の理念も反映していない。われわれの安全のためにもならず、むしろ『西側諸国はイスラム教徒を憎んでいる』という過激派組織IS=イスラミックステートの主張を助長するものだ」と述べ、怒りをあらわにして厳しく批判しました。そして、「信仰や人種に基づいて人を判断すべきではない。結束こそがISの打倒を可能にする」と訴えました。

アメリカ南部フロリダ州の銃乱射事件を巡り、共和党の指名獲得を確実にするトランプ氏がイスラム教徒のアメリカ国内への入国を禁止すべきという主張を改めて強調したことに対しては、共和党内部からも批判の声が上がっています。
共和党主流派の実力者、ライアン下院議長は14日、トランプ氏の主張について「これはイスラム過激派との戦いであって、イスラム教徒との戦いではない。大多数のイスラム教徒は穏健で平和的な人たちだ」と述べました。そのうえで「イスラム教徒の入国禁止はアメリカの利益にならない。共和党の価値観だけでなく、アメリカの価値観に合うものではない」と述べて、強く反対する姿勢を強調しました。
トランプ氏の主張を巡っては、テロへの懸念からこれまで共和党の一定の有権者から支持を集める一方で、宗教の差別意識や人種差別を助長しているとの批判が相次ぎ、11月の本選挙に向けて、ライアン議長を含めた共和党主流派が対応に苦慮しています。

アメリカ大統領選挙に向けて、民主党の指名獲得を確実にしているクリントン国務長官は14日、東部ペンシルベニア州で演説し、「共和党のトランプ氏はオバマ大統領がテロリストの味方をしているかのように言っているが、度を超しており、恥を知るべきだ。最高司令官に全くふさわしくない」と述べ、批判を強めました。
そのうえでトランプ氏がイスラム教徒の入国を禁止すべきだと主張していることについて「危険だ。われわれはテロリストと戦うためイスラム諸国と連携する必要があるのに逆効果だ」と指摘しました。

#米大統領選 #トランプ #ヒラリー

大統領選挙に向けた民主党の候補者選びは14日、首都ワシントンで全米最後の予備選挙が行われ、クリントン国務長官が勝利しました。クリントン氏はすでに代議員の過半数を確保し、党の指名を獲得することが確実になっていて、11月の本選挙に向け弾みをつけた形です。
このあとクリントン氏は、敗れたサンダース上院議員と会談し、挙党態勢の構築に向けて協力を求めたものとみられます。これに対し、サンダース氏は、来月の党大会で採択される党の政策綱領にみずからの主張を反映させるよう要請したものとみられます。
会談のあとサンダース氏の陣営は声明を出し「サンダース氏は本選挙でクリントン氏が共和党の指名獲得を確実にしているトランプ氏を倒すため取り組んでいることに感謝の意を伝えた」と明らかにしましたが、クリントン氏への支持は表明しませんでした。
サンダース氏は16日に支持者に向けて演説する予定で、今後、選挙戦から撤退し、クリントン氏の支持に回るのかどうかが焦点となっています。