メール問題 FBI クリントン氏の訴追求めない | NHKニュース
この問題は、アメリカ大統領選挙に向けて民主党の指名獲得を確実にしているクリントン氏が、国務長官在任中に私用のメールアドレスを公務に使っていたもので、FBIは先週、クリントン氏本人の事情聴取を行いました。
FBIのコミー長官は5日、記者会見し、やり取りしたメールの中にはトップシークレット=最高機密などの機密情報が含まれていたものが100通以上存在したことを明らかにしました。
そのうえで、外部の何者かがハッキングによってこの情報を入手することも可能だったと指摘し、「クリントン前国務長官と、その同僚は、機密情報の取り扱いが極めて不注意だった」と批判しました。
その一方で、意図的に情報の取り扱いを誤ったとは言えず、捜査妨害なども見られないなどとして、クリントン氏の訴追を求めないと発表しました。
今後は、これを基に司法省が最終的な判断をしますが、リンチ司法長官は先週、FBIの捜査結果を受け入れると表明しており、クリントン氏が立件される可能性は低くなったとみられています。
クリントン氏としては最悪の事態は避けられた形ですが、トランプ氏や共和党は、機密情報の取り扱いに問題があったクリントン氏に大統領になる資格はないなどと批判して攻撃を一層強める構えで、この問題を巡る議論はさらに激しさを増すことも予想されます。
アメリカ大統領選挙に向けて、共和党の指名獲得を確実にしているトランプ氏は、みずからのツイッターで、「非常に不公平で、誤った判断だ。FBIの長官は、不誠実なヒラリーが国家の安全保障を損なったと言いながら、訴追はしないとしている」として、FBIの判断を批判しました。
共和党のライアン下院議長は声明を発表し、「国家の安全保障に関する情報を間違って取り扱ったことに対して、クリントン前国務長官を訴追しないのは、ひどい前例を作ることになる」としてFBIの判断を批判しました。
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