5次にわたる全国総合開発計画の作成に携わり、「ミスター全総」と呼ばれた元国土事務次官の下河辺淳(しもこうべ・あつし)氏が13日午前7時、老衰のため東京都品川区の療養先で死去したことが16日、分かった。92歳。東京都出身。葬儀・告別式は生前の本人の希望により行われない。
東京帝国大卒。1947(昭和22)年に戦災復興院技術研究所に入り戦災地の市街地計画などを担当、経済企画庁総合開発局長、国土事務次官などを歴任し、94年から98年まで国土審議会会長を務めた。第5次までの全国総合開発計画にすべて関わり、「国土の均衡ある発展」や新産業都市などを打ち出した。
下河辺氏は昭和22年に当時の総理庁に入り、経済企画庁の総合開発局長を経て、昭和52年から54年まで国土庁の事務次官を務めたほか、平成6年には政府の国土審議会の会長に就きました。この間、昭和37年に戦後日本の地域間の均衡ある発展を図ろうと池田内閣の下で「全国総合開発計画」の策定に携わって以降、平成10年の第5次の計画まですべてに携わったことから「ミスター全総」として知られ、一貫して国土政策に深く関わりました。また、平成7年の阪神・淡路大震災のあとには、阪神・淡路復興委員会の委員長として、被災地域の復興に力を尽くしました。下河辺氏は今月13日、都内の療養先で亡くなりました。