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創立100周年と金融危機が転換点に!ハーバードの教育改革と“フィールド”開始の裏側 山崎繭加|ハーバードはなぜ日本の東北で学ぶのか|ダイヤモンド・オンライン

 結果、世界的にビジネススクールへの応募数は伸び悩み、また実業界からもMBA教育の価値への疑問符が打たれ、どの学校もこのままの教育ではいけないという認識を共有していることが分かった。

皮肉なことにそんな100周年のお祝いと同時進行で、世界金融危機が始まっていた。これが、HBSに転換を促したもうひとつのきっかけとなる。


世界金融危機はHBSにいくつかの変化をもたらした。まず、売上の減少を見越した徹底的なコストカットである。

 また、さらに重要だったのは、これまでの自分たちの教育は本当に正しかったのだろうか、という深い自省である。


 HBSは世界金融危機震源地となったアメリカの金融業界に数多くの卒業生を輩出していた。「世界を変えるリーダーを育成する」という理念を掲げてきたが、本当に世界をよい方向に変えるリーダーを育成できていたのか?もしできていたらそもそもあの危機は起こらなかったのではないか?自分たちの教育がむしろ原因を作ってしまったのではないか?

 この自省をもとに、金融危機前から考えていた未来のMBA教育のあり方について、さらに追加の分析や考察を行ったうえで、結論を出した。未来のMBA教育を考える一連の議論をリードしたHBSの教授らは、結論の核をknowing(知識)、doing(実践)、being(価値観、信念)という3つの言葉を用いてこう説明している。


ビジネススクールがリーダーやアントレプレナーを育成したいと考えるのであれば、どのような事実、フレームワーク、理論を教えるか(“knowing”)について再検討する必要がある。また同時に、カリキュラムのバランスを見直して、経営の実践の肝となるスキル、能力、技術の開発(“doing”)、そして経営者の世界観やプロフェッショナルのアイデンティティを形成する価値観、態度、信念(“being”)により焦点を当てるべきである。


 実践(doing)のスキルがなければ、いくら知識(knowing)があっても役立たない。また自己の存在(being)からくる価値観や信念を反映した自己認識がなければ、doingのスキルも方針が定まらない中で有効に使えることはできない。


 これまでの教育は、事実、フレームワーク、理論を教えて「知識を増やす(knowing)」ことに重点を置きすぎていた。よりスキルや能力の開発につながるような「実践(doing)の場」を増やし、またすべての行動のベースとなる自身の価値観・信念の認識を深める「自分が何者であるかを知る(being)教育」を行っていかなければいけない、という結論である。つまり、これまでは頭ばかり動かしていたが、これからは実際に体も動かし、そして心を豊かにしていく。頭と体と心のバランスをとる教育をしていかなければいけない、という決意表明だ。日本の武道の世界で唱えられてきた「心・技・体」の概念に非常に近いのではないだろうか。

 新しい必修科目は「フィールド(FIELD:Field Immersion Experiences in Leadership Development)」と呼ばれる。doingとbeingに重きを置いた「フィールド基礎(感情知性)」、「グローバル知性」、「統合知性」の計3つのモジュールから構成される1年間のコースだ。これまで通り、knowingの面は、戦略、マーケティングファイナンス、会計等の必修科目をケースで学ぶことでカバーされている。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20160823#1471948525
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20160819#1471603164