https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

米中首脳会談 協力確認の一方 鋭く対立 | NHKニュース

オバマ大統領と習近平国家主席は3日夜、G20サミットが行われる杭州にある迎賓館で、夕食も交えながら、およそ4時間にわたって会談しました。
この中で両首脳は、温室効果ガスの2大排出国であるアメリカと中国が地球温暖化対策の枠組み「パリ協定」をそれぞれ受諾、批准したことで協定が発効に向けて大きく前進したとして、引き続き、地球規模の問題の解決に協力していくことを確認しました。
また、核とミサイルの開発を続ける北朝鮮への対応について、朝鮮半島の非核化を実現するため国連安保理決議を完全に履行するなど両国の連携を強化することを確認しました。
その一方、南シナ海での中国の海洋進出について、オバマ大統領が、ことし7月の国際的な仲裁裁判の判断を尊重するよう求めたのに対し、習主席は「中国は、直接の当事国との話し合いを通じて争いを平和的に解決する。アメリカには、南シナ海の平和と安定を守るため建設的な役割を果たすよう望む」と述べ、不快感を示しました。
さらに、アメリカの最新のミサイル迎撃システムの韓国への配備について、習主席が「反対する。アメリカには中国の戦略的な利益と安全をきちんと尊重するよう求める」と述べたのに対し、オバマ大統領は同盟国の安全を守るアメリカの揺るぎない決意を伝えるなど、鋭い対立が改めて浮き彫りになりました。
会談後、両首脳は迎賓館を出て夜の敷地内を散策し、ともに地元の茶を楽しむなど「友好」ムードも演出しました。散策の途中、習主席が「今でも毎日運動しているのですか?」と質問し、オバマ大統領が「いつも走ったり、バーベルを上げたりしています。以前は、バスケットボールをしていましたが、けがでうまくプレーできなくなりました」などと応じる場面もあったということです。
来年1月に任期を終えるオバマ大統領にとって大統領としての訪中は今回が最後で、首脳会談は過去7年半の米中両国の協力の深まりをアピールしながらも、対立する課題の解決が依然、困難な現状も際立つ場となりました。

アメリカのホワイトハウスによりますと、オバマ大統領は、経営が非効率だとされる国有企業の改革や、通貨・人民元について市場が為替レートを決める制度への移行など、経済の構造改革を進めるよう求めたということです。さらに、米中両首脳は、鉄鋼などの過剰生産の問題で中国が果たす役割についても意見を交わしたとしています。
そのうえで、オバマ大統領は一連の構造改革について、中国経済が消費をけん引する持続的な成長モデルに移行するのに役立ち、両国の国益につながるだろうと訴えたということです。これに対して、中国の習近平国家主席は「構造改革は着実に実行している」と述べました。そして、通貨・人民元をめぐる改革を進めていると強調したうえで、アメリカが、今月、追加の利上げをするという観測が出ていることを念頭に、世界経済の安定に向けて慎重に金融政策を進めるよう促したものとみられます。