日本国内市場の位置づけが狭まってきていますが、トヨタの強さはより際立ってきています。 - トヨタの「一人勝ち」が国内販売で際立つ理由 https://t.co/11T497Jb3I
— ダイヤモンド・オンライン (@dol_editors) 2016年10月7日
戦後の国内自動車ディーラー網のセットアップに当たり、旧トヨタ自販の呼びかけに応じて全国の地場オーナーがトヨタ店、トヨペット店の経営を始めたのが始まりだった。モータリゼーションの進展とともにカローラ店、オート店(ネッツの前身)、さらにビスタ店(ネッツ店と併合)と、一時トヨタブランドは5チャネル体制を確立していた。それも、トヨタ店ないしトヨペット店を親として暖簾分けの形で各地にトヨタ5チャネル販売網が形成されたのだ。
「販売のトヨタ」といわれるゆえんは、「一にユーザー、二にディーラー、三にメーカー‥…」という神谷正太郎トヨタ自販初代社長の名言が、トヨタディーラーに脈々と受け継がれていったことにもある。当時からトヨタのライバルだった日産が「技術の日産」と謳ったのも、トヨタディーラーの販売力への裏返しから来るものでもあったのだ。
しかし、トヨタも2000年代に入り国内トヨタブランド販売網の5チャネルをネッツ店とビスタ店の併合でネッツ店とし4系列としたのが2004年。さらに2005年には米国で成功した高級車ブランド「レクサス店」を国内にもセットアップした。
この間、他社も日産がトヨタに対抗する5チャネル体制から紆余曲折を経て2005年に事実上、1系列に統合。ホンダも2006年にプリモ店、ベルノ店、クリオ店を「ホンダカーズ」に一本化している。また、マツダはバブル前に5チャネルに増やしたが、バブル崩壊の90年代に早くも見直して事実上1系列に、三菱自も2チャネルを一本化している。
結果として、国内の販売系列は、トヨタ以外すべて一本化されたのが現状である。
トヨタは、このようにグローバルを睨みながらも日本国内への新型車投入を怠らない。それは、母国市場の重要性を視野に入れ国内販売チャネル網の維持を重視しているからだ。
裏返せば、ホンダや日産の国内営業戦略の敵失がトヨタの強さを余計目立つものとしているともいえる。ホンダは、度重なったリコールで新車発売の遅れやイメージダウンから脱するのに遅れたし、日産は先の新型セレナによる国内市場での新車投入が実に2年半ぶりという日本国内軽視(?)のスタンスが色濃く見えるからだ。また、三菱自に至っては燃費改ざん問題で軽自動車ばかりでなく、登録車まで一時的だが生産・販売停止という事態に陥り、三菱販社は大打撃を受けた。