ドゥテルテ大統領「南シナ海問題 日本の考え聞きたい」 | NHKニュース
フィリピンのドゥテルテ大統領は25日から3日間の予定で日本を訪問するのを前に24日夜、首都マニラの大統領府にあるマラカニアン宮殿でNHKの単独インタビューに応じました。
このなかでドゥテルテ大統領は、今回の訪問について「2国間の結びつきを強めるため日本に行く。これからもあたたかい兄弟のような関係を続けていきたい」と述べ、日本との関係構築に強い意欲をみせました。
一方、ドゥテルテ大統領は、先週、中国を訪れて習近平国家主席と会談し、前の政権が激しく対立してきた南シナ海の問題をいったん棚上げして関係を改善し2国間で協議することに合意しました。中国との協議について大統領は、「適切な時期を待って国際法にのっとり、この問題を解決する」と述べ、中国の主張を否定した国際的な仲裁裁判の判断を前提として話し合う考えを強調しました。さらに今回の訪問で、「日本の考えを聞き、話し合いたい」と述べ、国際法の下での平和的な解決が重要だとする日本と認識を共有したうえで、今後、中国との2国間協議を行う考えを示しました。
またアメリカとの関係について、大統領選挙後の新しい政権に何を期待するか聞かれると「何も期待していない。中国やロシア、日本とは話をするが、アメリカと話をするのは不快だ。話すことは何もない」と述べ、今後もアメリカと距離を置く姿勢を強調しました。
そのうえでドゥテルテ大統領は、フィリピンに展開しているアメリカ軍について、「自分の国の中にフィリピン軍以外の兵士は見たくない」と述べ任期中にアメリカとの軍事協定を見直す可能性を示唆しました。
この軍事協定はフィリピンの前の政権が、南シナ海で海洋進出の動きを強める中国を念頭にアメリカと2年前に締結したもので、冷戦後に撤退したアメリカ軍の事実上の駐留を再開する道を開きました。しかしドゥテルテ大統領は、前の政権がアメリカと合意した南シナ海での共同の哨戒活動に参加しない意向を表明しているほか、軍事演習についても来年以降は打ち切る考えを示すなど、アメリカと距離を置く姿勢を強めています。
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20161024#1477305447
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