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フランスでは、景気の低迷や相次ぐテロの影響で左派・社会党のオランド大統領の支持率が落ち込んでいて、来年4月の大統領選挙では、中道右派の最大野党、共和党の候補者が有力候補になると見られています。


27日、共和党の統一候補を決める予備選挙の決選投票が行われ、いずれも首相経験のあるフランソワ・フィヨン氏とアラン・ジュペ氏との間で争われた結果、日本時間の午前6時半の時点でフィヨン氏が66%余りを得票し、ジュペ氏を大きく引き離しました。


フィヨン氏は勝利宣言を行い、「国を守りたいと願うすべての人に手を差しのべたい。フランスの価値を守り、多様な人々と分かち合いたい」と述べ、大統領選挙への決意を表明しました。


フィヨン氏は62歳、サルコジ前大統領の下で5年間、首相を務めました。法人税の引き下げなど企業への支援を通じて経済の再生を図る一方、同性婚カップルの権利を制限するなど、保守的な公約を掲げていて、外交面ではロシアとの関係を重視するとしています。


大統領選挙では、与党・社会党の苦戦が予想される一方で、移民の受け入れやEU=ヨーロッパ連合に反発する極右・国民戦線のルペン党首が支持を伸ばし、共和党のフィヨン氏と激しい選挙戦を繰り広げるものと見られています。

予備選挙で勝利したフィヨン氏は、27日夜、パリ市内で記者会見を開きました。


集まった支持者から大きな歓声で迎えられたフィヨン氏は「フランス国民は、これ以上、この国が低迷していくことに耐えられなかったのだと思う。私たちの政策がこの国を救う唯一のものだと確信している」と述べ、さまざまな分野での改革を訴えたことが勝利につながったという見方を示しました。そのうえで、「来年の大統領選挙を一緒に戦ってくれれば、必ず勝利をおさめ、改革を実現する」と述べ、来年春の大統領選挙に向け、さらなる支持を呼びかけました。


支持者の若い男性は「数週間前まであまり注目されていなかったフィヨン氏が、今、多くの支持を集めていることは、国民が変化を望んでいるというメッセージだと思う」と話していました。


また、支持者の70歳の男性は「フランスが置かれている状況は非常に悪く、フィヨン氏が公約に掲げる経済改革を進めてくれることを期待している」と話していました。

予備選挙で敗北したアラン・ジュペ氏は、パリ市内で支持者を前に、「望んでいた結果には届かなかったが、感謝をもって選挙運動を終える」と述べ、大統領選挙ではフィヨン氏を全面的に支援していくことを強調しました。


ジュペ氏は、立候補を表明して以来、今月20日に始まった予備選挙の直前まで世論調査でトップを走っていただけに、支持者の間からは落胆する声が聞かれました。


このうち、若い女性は「ジュペ氏には左派の社会党支持者まで引きつける力がありました。最後の最後でこれほど大差をつけられて敗れたのはとても残念です」と話していました。


また、若い男性は「本当にがっかりしている。フィヨン氏が勝利したことで、大統領選挙では国民戦線のルペン氏との戦いが厳しくなるのではないか」と涙ながらに話し、保守色の強いフィヨン氏では大統領選挙で左派の支持が得にくくなり、極右政党のルペン党首と厳しい争いになることを懸念していました。


これまで長い間、外交政策部門については手堅いコンセンサスが存在したフランスでも、いまやロシア政策をめぐって合意が揺るがされている。特に仏露関係がフランスの大統領選挙の争点の一つに浮上している。極右勢力のポピュリスト政党、国民戦線はロシアとのイデオロギー・組織・財政的なつながりをもち、かなりの支援を受けていることで知られている。マリーヌ・ルペンはおそらく2017年春の選挙で2次投票へ進むと考えられている。問題はルペンと大統領を争うと予想される共和党の指導者たちも「ロシアに対してこれまでとは違う路線をとるべきだ」と主張していることだ。(カディアー)


フランスは、欧州連合(EU)の一部であるときより、独立した国家だったときの方がパワフルだったと私は考えている。そのパワーを再発見することを望んでいる。EUは段階的に欧州ソビエト連邦のような枠組みへと姿を変えつつある。EUがすべてを決め、見解を押しつけ、民主的プロセスを閉ざしている。・・・メルケルは次第に自分がEUの指導者だという感覚をもつようになり、その見方をわれわれに押しつけるようになった。・・・私は反メルケルの立場をとっている。(ルペン)


大規模な難民流入やユーロ危機などで社会治安や経済の安定が脅かされたために、ポピュリズムの急激な台頭が刺激された部分があるのは事実だろう。しかし、ヨーロッパの社会と政治に構造的変化が起きていたことがポピュリズムを台頭させる素地を作り出していたことが見落とされがちだ。難民危機や経済危機はトリガーにすぎない。しかも、構造的変化が近い将来に覆される見込みがない以上、ポピュリズムが下火になっていくと考える理由はない。要するに、これまでの主流派政党が時代遅れの存在になるにつれて、ポピュリスト政党が台頭している。・・・(ムッデ)