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岸田外務大臣とロシアのラブロフ外相との会談は、日本時間の午後5時すぎから行われました。


会談の冒頭、ラブロフ外相が「きたるべきプーチン大統領の訪日の最終的な準備の段階だ。双方が建設的な作業を責任感を持って行うことを確信している」と述べたのに対し、岸田大臣は「大統領の訪日準備の最後の詰めを行う観点から、きょうの会談を重視している。2国間問題について十分に時間をかけて議論し、山口での首脳会談につなげていきたい」と述べました。


会談で両外相は、今月15日と16日に安倍総理大臣の地元・山口県などで行われる日ロ首脳会談で成果を挙げるため、閣僚レベルでの最後の調整を行い、終了後、共同で記者会見を行いました。
この中で両外相は、安倍総理大臣が提案した8項目の経済協力プランの具体化など、首脳会談の準備状況を話し合い、経済や人的交流、それに科学など幅広い分野で協力を拡大させることを確認したことを明らかにしました。
特にビザの緩和については、両国が検討している具体的な措置を大統領の日本訪問の際に公表することで合意したとしています。
また、北方領土問題を含む平和条約交渉について、両外相は進展を図ることで一致し、岸田大臣は記者会見で、「山口での首脳会談につなげるため、真剣かつ突っ込んだ議論を行った。日ロ両国民から歓迎されるような成果を出したい」と述べました。
一方、ラブロフ外相は「かなり複雑な事柄で、忍耐を持って作業していかなければならない。日ロ関係をあらゆる方面で発展させることが1つの道筋だ」と述べました。


岸田外務大臣とロシアのラブロフ外相との会談は、3日、モスクワで行われ、今月15日と16日に安倍総理大臣の地元の山口県などで行われる日ロ首脳会談に向けた詰めの協議を行いました。
昼食も含めると2時間半余り行われた会談で、両外相は、安倍総理大臣が提案した8項目の経済協力プランの具体化など、首脳会談の準備状況を話し合い、経済や人的交流、科学など、幅広い分野で協力を拡大させることなどを確認しました。


一方、焦点となっている北方領土問題を含む平和条約交渉について、両外相は交渉の進展を目指すことで一致しました。
岸田大臣は共同記者会見で「真剣かつ突っ込んだ議論を行った。大切なのは、双方の立場の隔たりを克服し、双方が受け入れ可能な形で北方四島の帰属の問題を最終的に解決し、平和条約を締結することだ」と述べました。
これに対し、ラブロフ外相は「両国の原則的な立場を近づけることは容易ではない。複雑な状況だが、問題の解決に向けて前に進める用意はある」と述べたうえで、日ロ関係を全面的に発展させていくことが解決の道筋だという考えを示しました。


また、ラブロフ外相は記者会見で、北方領土での共同経済活動に関連して、最近の首脳会談で安倍総理大臣が何ができるか検討したいという考えを示し、プーチン大統領が前向きに反応したと説明しました。


岸田大臣は日本時間の4日未明、帰国の途につきました。
そして、帰国後、2日のプーチン大統領との会談の際、託された親書を安倍総理大臣に手渡すとともに、一連の会談の内容を報告することにしています。


今回の岸田大臣の訪問も踏まえ、日ロ両国の間では、首脳会談に向けて引き続き調整が行われますが、北方領土問題を含む平和条約交渉をめぐる立場には隔たりがあり、首脳会談でどこまで進展が図れるかは見通せない状況です。

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