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ロシアのプーチン大統領は会談後の共同記者発表で、「ロシアと日本は、もっとも難しい問題の解決に向けた準備ができている。会談は、建設的だった」と述べて評価しました。


ロシアのプーチン大統領は共同記者発表で、緊張が高まっている北朝鮮情勢について、「朝鮮半島の状況が悪化していることについて安倍総理大臣は懸念を表明した。レトリックに陥ることなく落ち着いて対話を続けていくべきで、6か国協議を再開することが必要だ」と述べて、2008年の協議を最後に中断している6か国協議を再開させることの重要性を強調しました。


安倍総理大臣は「会談では、北朝鮮について時間を割いて話をした。ロシアは国連の安全保障理事会常任理事国であり、6者会合の重要なパートナーだ。プーチン大統領と引き続き、日ロで緊密に協力し、北朝鮮に対して安保理決議を完全に順守し、さらなる挑発行為を自制するよう働きかけていくことで一致した」と述べました。


安倍総理大臣は「ウラジーミルと私の間で、平和条約の締結への道を進んでいきたい。多くの国民が日ロ関係の発展を実感できるように具体化する。私は山口県長門での会談を経て、2人の手で平和条約を解決するという真摯(しんし)な決意を表明した。約束したとおり、この4か月の間に進展が得られている。2人の合意に基づき、ゴールに向けて力強いものにしたい」と述べました。


ロシアのプーチン大統領は首脳会談後の共同記者発表で、北方領土での共同経済活動をめぐって引き続き協議を続けるとしたうえで、「安倍総理大臣と協力の優先的な計画のリストを作成することで合意した」と述べました。そのうえで、ことしの夏、日本から官民合同の代表団が北方領土を訪れて共同経済活動についての調査を行うことを明らかにしました。また、元島民の北方領土への往来についても、ロシアが航空機の運航で協力する考えを示しました。


安倍総理大臣は「ウラジーミルとは、7月のドイツ・ハンブルグでのG20の際にも改めて2人で会うことで合意した。また、9月にウラジオストクで開かれる東方経済フォーラムでの再会も楽しみにしている。本年もあらゆる機会をとらえ、幅広い分野で日ロ関係を進展させていく、強い決意を新たにしている」と述べました。


ロシアのプーチン大統領は共同記者発表で、日本との経済関係について、「2か国間の貿易は一時的に落ち込んだが、現在は持ち直している」と述べ、去年12月の日ロ首脳会談が終わったあとのことし1月と2月にかけて両国間の貿易額が増加したことを評価しました。そのうえで、プーチン大統領は経済協力の具体的なプロジェクトについて多くの時間を割いて言及し、ロシア側としては引き続き経済協力の拡大を重視する姿勢を示しました。


特にエネルギー分野での協力については、北極圏のヤマル半島でLNG=液化天然ガスの生産工場の建設が進められていることや、極東のサハリンと北海道をガスパイプラインでつなぐ構想が検討されているとして、「戦略的に重要なエネルギー分野での協力が進んでいる」と述べました。


また、両国を同じ送電網で結び、ロシアから日本へ電力を供給する構想に触れ、「短い供給距離になり、安い価格でエネルギーを供給することができる」と述べ、メリットを強調しました。


さらに、プーチン大統領は、ロシア極東の経済特区に日本企業が進出すれば、ロシアだけでなく、ロシアが主導し旧ソビエト諸国でつくる「ユーラシア経済同盟」の市場にもアクセスできるとして、日本企業の参入を促しました。


ロシアの首都モスクワで27日に行われた日ロ首脳会談のあと、プーチン大統領は共同記者発表の冒頭で、「会談は建設的な雰囲気で行われた。日ロ両国は互恵的で多面的な協力を進めていくという姿勢を示した」と述べて、高く評価しました。


そして、「日本は重要で将来性のあるパートナーだ。ロシアは、互いに尊重し、対等で、互いの利益を考慮するという原則に基づいて、日本とともに最も難しい問題を解決する用意がある」と述べ、北方領土問題の解決を含む平和条約の締結に向けて交渉を続けていくことに意欲を示しました。


また、ロシア側が領土問題解決への前提としている経済協力についても、「最近、両国間の接触が活発に行われていることに、安倍総理大臣とともに満足している」として、極東のサハリンでの石油ガス開発など具体例を挙げて、順調に進んでいると強調しました。


さらに、北方領土での共同経済活動については、ことし夏に日本から官民のグループが現地で調査を行うことを明らかにし、元島民の往来についても、ロシアが航空機の運航で協力する考えを示して、「こうしたことが信頼の雰囲気を醸成し、相互理解を促進する」としています。


一方、北朝鮮情勢をめぐっては、「すべての関係国に対し好戦的な言い回しをやめ、落ち着いて建設的な対話を目指すことを呼びかける。6か国協議を再開することが共通の課題だ」と述べて、アメリカをはじめ、関係各国に自制を求めたうえで、ロシアと日本が加わっていた6か国協議の再開を呼びかけるなど、日本とも協力していく姿勢を見せました。


ロシアは、アメリカでトランプ大統領が就任したあとも冷戦後最悪と言われるアメリカとの関係を改善させることができず、EU=ヨーロッパ連合NATO北大西洋条約機構とも対立を続けています。こうした中で、プーチン大統領としては、G7=主要7か国の一員である日本が、ロシアとの関係強化に乗り出していることを歓迎し、困難な領土問題の解決でも前向きな姿勢を示したものと見られます。


日本とロシアが進めている経済協力のプランのうち、両国の民間企業などによる22の案件で進展があり、企業の代表者らが署名文書を交わしました。
協力案件の進展を確認する署名文書の交換はモスクワ市内で行われ、首脳会談に併せてロシアを訪問している世耕ロシア経済分野協力担当大臣とロシアのオレシュキン経済発展相の立ち会いの下、行われました。


日本とロシアの間では、日本が提案したエネルギーや医療分野など8つの項目にわたる経済協力プランに沿って、去年、80件の覚書などが交わされ、このうち、民間企業などの間の22の案件で進展がありました。


具体的には、大手商社の三井物産とロシアの製薬会社が資本提携し製造技術を支援したり日本の医薬品の供給したりする案件や、国立成育医療研究センターがロシアの医療機関小児がんや新生児医療の分野で協力する案件などが含まれています。


世耕大臣は、28日もシュワロフ第1副首相と会談し、すでに覚書を交わした協力案件を進めるとともに新しい案件を発掘することで、ロシアとの経済協力を進め北方領土問題の前進につなげていきたい考えです。