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憲法論点教室 | 曽我部真裕, 赤坂幸一, 新井誠, 尾形健 |本 | 通販 | Amazon

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#勉強法


巻末の年表が語る、積み上げた理念。先人の概念と”形”のEvolution。章典や宣言に至る過程の政変・戦争を伴う変革。ロック/モンテスキューらが源泉となり、ハミルトン/ジェイ/マディソンによる『ザ・フェデラリスト』に繋がる過程が印象深い。立憲主義の概念。訴訟も歪みを正す手段。言い換えれば、人の過ちを踏まえた統治であり、安保法も正にこれを問われているのではなかろうか。現代憲法と古典との紐付けを通した憲法の基本原理を章立てに集約。評判どおり入門書としても適している気がする。

古典で読む憲法/憲法と天使|弁護士作花知志のブログ

同書は,さまさまな問題で大きく揺れている現在の日本国憲法を,その憲法を支える歴史的な思想を踏まえて読み直そう,というものです。ロック,ルソー,モンテスキュー,はてはアダム・スミスなど,何世紀にわたる思想家の思想が,21世紀を生きる現在の憲法の解釈にどのような影響を与えているかを感じることができる内容となっています。

「万が一,人間が天使でもあるというならば,政府などもとより必要としないであろう。またもし,天使が人間を統治するというならば,政府に対する外部からのものであれ,内部からのものであれ,抑制など必要としないであろう。


しかし,人間が人間の上に立って政治を行うという政府を組織するにあたっては,最大の難点は次の点にある。すなわち,まず政府をして被治者を抑制しうるものとしなければならないし,次に政府自身が政府自身を抑制せざるをえないようにしなければならない。」

Amazon.co.jp: 立憲主義と日本国憲法 第4版の 鈴木大介さんのレビュー

立憲主義と銘打っているにもかかわらず、今日の日本の立憲主義を揺るがす最大の問題、政府の集団的自衛権容認を十分な検討なしに一つの考え方として述べているのは、不見識にすぎるのではないだろうか。


大日本帝国憲法は、第1条で「大日本帝国万世一系天皇之ヲ統治ス」と定め、第4条で「天皇ハ国ノ元首ニシテ統治権ヲ総攬シ此ノ憲法ノ条規ニ依リ之ヲ行フ」と定めていた。つまり「統治権」とは、大日本帝国憲法における天皇大権の鍵概念であった。


明治憲法が「統治権」を重視した背景には、起草者である伊藤博文井上毅が、大隈らイギリス派の政治家を失脚させてまで、ドイツ憲法学を参考に憲法を制定する方針を貫いたことがあった。彼らはプロイセン憲法ドイツ国法学における「Herrschaftsrechte」「Regierungsrechte」といった概念を参考にして、「統治権」を鍵概念とする大日本帝国憲法を起草した。官僚養成の使命を持つ東京帝国大学法学部が、ドイツ国法学の牙城となっていったのは、当然であった。


統治権」と領民・領土から成る「国家の三要素」という考え方は、明治憲法が参考とした1850年プロイセン憲法の規定であり、ドイツ国法学の概念構成だ。東京帝国大学法学部では、美濃部達吉が、ドイツ国法学の雄イエリネックの強い影響下で、「統治権」を含む「国家の三要素」に依拠した「国家法人説」を導入した。そして大正期・昭和初期の日本の憲法学界に君臨した。「国家法人説」とは、つまり国家が「統治権」を持つ、という学説のことであった。


(なお伊藤=井上は、『憲法義解』を著し、「統治権」に日本の神話世界の「シラス(治ス)」論の彩りを添える追加作業も行った。神話的な天皇大権論に与しなかった美濃部が糾弾されたのが「天皇機関説事件」だ。そのとき美濃部は外国人学者受け売りの者、つまりドイツ国法学そのままの輸入業学者として蔑視された。)


戦後は、美濃部の弟子の宮沢俊義や清宮四郎らを経由して、孫弟子にあたる芦部信喜に、ドイツ国法学の概念構成が引き継がれた(760ページにわたるイエリネックの『一般国家学』の翻訳書は若き芦部の業績の一つだ)。

国家法人説 - Wikipedia

この説においては、統治権という意味での主権は、君主ではなく国家に属し、君主は法人である国家の代表機関としてこれを行使することとなる。したがって、国政の在り方を最終的に決定する権限という意味での主権が君主に属することを否定するものではない。


国家法人説自体は、ブルジョワジーの担い手として登場した立憲君主制の観念である。日本においては、戦前、美濃部達吉天皇機関説として知られた。それは、大日本帝国憲法の君権主義的側面を弱体化させ、立憲的側面を強化する事で民衆の意思による政治を可能な限り実現させるための論拠となった。

天皇機関説 - Wikipedia

「主権」という語は多義的に解釈できるため注意が必要である。


統治権としての主権を有するのは何か」という問いに対して、国家と答えるのが国家主権説である。一方で、「国家意思の最高決定権としての主権を有するのは何か」という問いに対して、「君主である」と答えるのが君主主権説、「国民である」と答えるのが国民主権説である。 したがって、国家主権説は君主主権説とも国民主権説とも両立できる。


美濃部達吉天皇機関説は、統治権の意味では国家主権、国家意思最高決定権の意味では君主主権(天皇主権)を唱えるものである。

大日本帝国憲法の解釈は、当初、東京帝国大学教授・穂積八束らによる天皇主権説が支配的で、藩閥政治家による専制的な支配構造(いわゆる超然内閣)を理論の面から支えた(天皇主権説とは統治権の意味での主権を天皇が有すると説く学説である)。また、この天皇主権は究極のところ天皇の祖先である「皇祖皇宗」に主権があることを意味する「神勅主権」説とも捉えられた。


これに対し、東京帝大教授の一木喜徳郎は、統治権は法人たる国家に帰属するとした国家法人説に基づき、天皇は国家の諸機関のうち最高の地位を占めるものと規定する天皇機関説を唱え、天皇の神格的超越性を否定した。もっとも、国家の最高機関である天皇の権限を尊重するものであり、日清戦争後、政党勢力との妥協を図りつつあった官僚勢力から重用された。


日露戦争後、天皇機関説は一木の弟子である東京帝大教授の美濃部達吉によって、議会の役割を高める方向で発展された。すなわち、ビスマルク時代以後のドイツ君権強化に対する抵抗の理論として国家法人説を再生させたイェリネックの学説を導入し、国民の代表機関である議会は、内閣を通して天皇の意思を拘束しうると唱えた。美濃部の説は政党政治に理論的基礎を与えた。

辛亥革命直後には、穂積の弟子である東京帝大の上杉慎吉と美濃部との間で論争が起こる。共に天皇の王道的統治を説くものの、上杉は天皇と国家を同一視し、「天皇は、天皇自身のために統治する」「国務大臣の輔弼なしで、統治権を勝手に行使できる」とし、美濃部は「天皇は国家人民のために統治するのであって、天皇自身のためするのではない」と説いた。


この論争の後、京都帝国大学教授の佐々木惣一もほぼ同様の説を唱え、美濃部の天皇機関説は学界の通説となった。民本主義と共に、議院内閣制の慣行・政党政治大正デモクラシーを支え、また、美濃部の著書が高等文官試験受験者の必読書ともなり、1920年代から1930年代前半にかけては、天皇機関説が国家公認の憲法学説となった。この時期に摂政であり天皇であった昭和天皇は、天皇機関説を当然のものとして受け入れていた。

昭和天皇自身は機関説には賛成で、美濃部の排撃で学問の自由が侵害されることを憂いていた。昭和天皇は「国家を人体に例え、天皇は脳髄であり、機関という代わりに器官という文字を用いれば少しも差し支えないではないか」と本庄繁武官長に話し、真崎甚三郎教育総監にもその旨を伝えている。国体明徴声明に対しては軍部に不信感を持ち「安心が出來ぬと云ふ事になる」と言っていた(『本庄繁日記』)。また鈴木貫太郎侍従長には次のように話している。

主權が君主にあるか國家にあるかといふことを論ずるならばまだ事が判ってゐるけれども、ただ機關説がよいとか惡いとかいふ論議をすることは頗る無茶な話である。君主主權説は、自分からいへば寧ろそれよりも國家主權の方がよいと思ふが、一體日本のやうな君國同一の國ならばどうでもよいぢやないか。……美濃部のことをかれこれ言ふけれども、美濃部は決して不忠なのでないと自分は思ふ。今日、美濃部ほどの人が一體何人日本にをるか。ああいふ學者を葬ることは頗る惜しいもんだ

第二次世界大戦後、改正憲法の気運が高まる中、美濃部は憲法改正に断固反対した。政府、自由党社会党憲法草案は、すべて天皇機関説に基づいて構成されたものであった。しかし、天皇を最高機関とせず国民主権原理に基づく日本国憲法が成立するに至り、天皇機関説は解釈学説としての使命を終えた。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20170425#1493116698(三谷太一郎『日本の近代とは何であったか――問題史的考察』)

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20170307#1488883167(宮沢はその「基本的人権」論の枠組みをほとんどこの我妻から継承している。)

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20160929#1475145628(指導教官は大石眞)

#京大系#フランス留学派#お子ちゃま右翼