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「一帯一路」は、習近平国家主席が提唱したアジアとヨーロッパをつなぐ巨大な経済圏構想で、初の国際会議は29か国の首脳を含む130余りの国の代表団などが参加して、15日までの2日間、北京で行われました。


15日夕方、閉幕にあたって記者会見した習主席は、構想に対して「幅広い賛同を得られた」という認識を示しました。そして、「各国の間では、政策面での協調が深まり、経済・貿易プロジェクトが加速しインフラネットワークが形成されていて、貿易と投資をめぐる手続きの簡略化も絶え間なく進んでいる」と述べました。


そのうえで、「『一帯一路』の建設は、全面展開の新しい段階に入った」と述べて成果を強調しました。また、この国際会議を2年後の2019年に再び開く考えを表明しました。


会議の成果をまとめた共同声明で、各国は、あらゆる形の保護主義に反対すると表明して「アメリカ第一主義」を掲げるトランプ政権をけん制したほか、公平な競争と市場の規律の下で貿易や投資を拡大することや、各国のインフラなどの連結性をさらに強化していくことなどを明確にしました。


中国としては、各国との連携を強化して、かつてのような勢いがなくなった自国経済の成長の新たな原動力にするとともに、みずからが主導する国際秩序を構築して影響力を拡大したいという思惑があるものと見られます。

「一帯一路フォーラム」は15日閉幕し、首脳が出席した29か国が共同声明を発表しましたが、NHKが入手した草案と比較すると、中国政府が盛り込もうとした文言のいくつかが削除されたり修正されたりしたことがわかります。


当初の草案では、「一帯一路」構想の評価として、「過去3年にわたり前向きな成果をもたらし、主要な国際的公共財になった」と記されていましたが、発表の段階では「主要な国際的公共財になった」という表現が削除されました。
「一帯一路」構想を提唱した習近平国家主席の権威づけに利用しようとした中国に対し、一部の国が国際的な標準に沿った文書にするよう求めたという見方が出ています。


また、構想の推進にあたって各国が対等に協力することをうたった部分は、当初の草案で「国連憲章の目的と原則への敬意」と「主権と領土保全の尊重」が並列で記されていましたが、発表された声明では「主権と領土保全の尊重を含む国連憲章国際法の原則に敬意を表す」と修正されました。
中国が南シナ海の島々の領有権をめぐって周辺国と対立していることなどを踏まえ、主権や領土についての主張はあくまでも国際法にのっとったものであるべきだという各国の考えが反映されたと見られます。


一方、「保護貿易主義に反対する」という文言は、当初の草案どおり盛り込まれました。


3月にドイツで開かれたG20=主要20か国財務相中央銀行総裁会議の共同声明では、こうした文言がアメリカのトランプ政権の反対で削除されましたが、今回はアメリカの首脳が不在だったことを突いて中国主導で主張を通した形です。