https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com


トランプ大統領は20日、最初の訪問国のサウジアラビアに最大級のもてなしで迎えられ、サルマン国王など王族との会談を行ったあと、夜には国王と剣舞をともに踊って、初日の日程を終えました。


訪問にあわせ両国の企業は、相次いで投資案件の覚書を取り交わすなど総額で2000億ドル22兆円を超える案件を協議したと、両国の政府関係者は話しています。


このうち、サウジアラビア国営で世界最大の石油会社サウジアラムコは、GE=ゼネラル・エレクトリックをはじめ、アメリカの企業11社との間で、海上油田の掘削会社への投資など5兆円余りの案件に合意しました。


また、投資会社のブラックストーンは、アメリカのインフラ事業に投資する新たなファンドに、サウジアラビアの政府系ファンドが2兆円余りを拠出すると明らかにしました。


これらの投資で双方の国で数万人の雇用が創出されるということで、トランプ大統領は「アメリカに何千億ドルもの投資が行われる。雇用、雇用、雇用。サウジアラビアの国民に感謝する」と述べ、成果を強調しました。


トランプ大統領は20日、最初の訪問国のサウジアラビアに到着し、サルマン国王と首脳会談を行うとともに、ムハンマド皇太子らとも会談しました。


ホワイトハウスによりますと、トランプ大統領は会談で、アメリカが、サウジアラビアの安全と安定のために取り組んでいく姿勢を強調したということです。特に、過激派組織IS=イスラミックステートとの戦いや、シリアやイエメンの内戦に、両国が足並みをそろえて対応していくことが重要だとして、両首脳はイスラム過激派への対応や、軍事面で緊密に協力していくことを記した文書に署名しました。


また、訪問に合わせて、投資や貿易を活発化させることや、最新の迎撃ミサイルシステムのTHAADなどをはじめ、1100億ドル(およそ12兆円)に上る武器や装備品などの売却でも合意し、イランに対抗していくため、軍事、経済の分野で協力を強めていくことでも一致しました。


トランプ大統領は滞在2日目には、ペルシャ湾岸の6か国の首脳たちとの会合に出席するほか、イスラムの50を超す国の首脳との国際会議に出席して、演説を行う予定です。


トランプ大統領としてはサウジアラビアを中東政策の基軸と位置づけ、オバマ前大統領の下で冷え込んだ同盟関係を立て直すとともに、サウジアラビアを中心にアラブ諸国とともにイランに対する包囲網を構築したい考えです。

サウジアラビアは、オバマ前政権の下でアメリカとの関係が冷え込んだだけに、今回初めての外国訪問で訪れたトランプ大統領を最大級のもてなしで歓迎しました。


首都リヤドでは、幹線道路に両国の旗を飾りたてたほか、街じゅうにサルマン国王とトランプ大統領の写真とともに、「ともにわれわれは打ち勝つ」と、今回の訪問のために用意したスローガンが記された看板を掲げました。


空港では、サルマン国王みずからがトランプ大統領を出迎えたあと、30キロほど離れた滞在先のホテルまで同行しました。
また、サウジアラビア政府は、トランプ大統領に最高の栄誉となるメダルも授与するなど、アメリカとの関係改善を強くアピールしました。

アメリカが、サウジアラビアに1100億ドル(およそ12兆円)に上る武器を売却したり、軍事サービスを提供したりすることで、20日に両国は合意しました。


アメリ国務省によりますと、イランの脅威にさらされているサウジアラビアを支援するために行われるということで、アメリカの最新の迎撃ミサイルシステムのTHAADなども売却の対象になっているほか、提供される軍事サービスには、テロ対策や空軍の強化などが含まれているということです。


ホワイトハウスの高官によりますと、アメリカはサウジアラビアに今後10年間で3500億ドル(およそ39兆円)に上る武器を売却する計画だということです。


サウジアラビアとイランは、シリアやイエメンの内戦をめぐって対立しているほか、サウジアラビアは、イランが弾道ミサイルの開発を進めていることなどに強く反発していて、アメリカが巨額の武器をサウジアラビアに売却することで、中東地域の緊張がさらに高まることになりそうです。

アメリカのトランプ大統領の初めての外国訪問について、保守系シンクタンク、ハドソン研究所で、国際関係と安全保障が専門のウォルター・ラッセル・ミード名誉研究員は、トランプ政権が最初の訪問国としてサウジアラビアを選んだ理由について、「オバマ前大統領がイランとの和解を模索したため、サウジアラビアのイランに対する敵意と恐怖が深まってしまった。トランプ大統領サウジアラビアをまず訪れることで、今後状況は変わっていくという重要なシグナルを送りたいのだと思う」と述べています。


そして、ミード氏はオバマ前大統領のイランへの対応が原因で、サウジアラビアなどアラブ諸国イスラエルとの連携が以前に比べ、強まったとしたうえで、「トランプ大統領は、アラブ諸国イスラエルのつながりが、将来、中東和平の枠組みに貢献すると見ている」と述べ、大統領が今回の訪問で、真っ先にサウジアラビアイスラエルの2か国を訪問することにした背景を説明しています。


そのうえで、「トランプ大統領は、これまでどちらかと言うと孤立主義の大統領ではないかと見られてきたが、最初の訪問を見るかぎり、とても外交的だ。選挙戦の時とは違うトランプ氏に変わっている」と述べ、「アメリカ第一主義」を掲げるトランプ大統領は、国内問題への対応が最優先という原則は崩さないものの、外交への比重は今後徐々に上がってくるという見方を示しました。