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サウジアラビアの首都リヤドで開かれている経済フォーラムは24日、2日目を迎え、主催するムハンマド皇太子が登壇し、中東の経済発展に向けたリーダーの役割などをテーマにしたパネルディスカッションに参加しました。

ムハンマド皇太子は発言の冒頭でサウジアラビア人ジャーナリストのジャマル・カショギ氏がトルコにある総領事館で死亡した事件について触れ「非常に醜い事件であり、全く正当化できない。トルコ政府と協力して捜査を続ける。関わった者に罰を与える」と述べました。

一方で、みずからの事件の関与については、一切、言及しませんでした。

このあとのパネルディスカッションでムハンマド皇太子は、みずからが主導する石油に依存しない国づくりを目指した経済改革の意義などを強調しました。

今回のフォーラムでは、欧米各国の要人や企業のトップなどが相次いで参加を取りやめる事態となり、事件をめぐりサウジアラビア政府への批判が高まる中、ムハンマド皇太子が進める経済改革にも影響が広がりそうです。

ムハンマド皇太子は経済フォーラムの壇上で、同席したレバノンのハリリ首相について「彼が2日間、サウジアラビアにいるからといって、誘拐されたとかいううわさが広まらないことを望む」と述べ、会場は笑いに包まれました。

これは去年、レバノンのハリリ首相がサウジアラビアを訪問した際に、突然、辞意を表明し、ムハンマド皇太子による圧力によるものだという受け止めが広がったことに冗談を交えて反論した形です。

サウジアラビアムハンマド皇太子とトルコのエルドアン大統領は24日、電話で会談しました。

トルコのアナトリア通信によりますと、会談はムハンマド皇太子からの要請で行われ、2人は今回の事件の真相をあらゆる側面から明らかにするための協力と、その手順について話し合ったということです。

今回の事件をめぐっては、捜査を進めるトルコのエルドアン大統領が23日、「責任を数人の諜報機関や治安機関のメンバーに負わせるのでは、われわれも国際社会も納得しない」と演説し、サウジアラビア政府の対応を批判したのに対し、関与が指摘されているムハンマド皇太子はそれを否定しています。

一方、イランのロウハニ大統領は、24日の閣議でこの事件について初めて言及し「凶悪な殺人事件だ」として、対立関係にあるサウジアラビア政府の関与が疑われる事件を非難しました。

そのうえで、アメリカが大量の武器を輸出するなどしてサウジアラビアに対し融和的な政策をとってきたことが、このような事件を引き起こしたなどと厳しく批判しました。

また「アメリカやヨーロッパなどは、事件への対応によって、人道上の問題をどれほど重視しているか、問われることになるだろう」と述べて国際社会に厳しく対応するよう求めました。

アメリカはこれまで、サウジアラビア寄りの政策をとることによって、イランに対する包囲網を強化してきた経緯があり、イランとしては事件をきっかけに、アメリカへの反発をさらに強めていくとみられます。

https://d1021.hatenadiary.jp/entry/2018/10/24/200240トランプ大統領 「サウジ皇太子は事件への関与を否定」)
https://d1021.hatenadiary.jp/entry/2018/10/23/200240(イラン外相 米とサウジを強くけん制 武器売却で)

ジャーナリストのジャマル・カショギ氏がトルコにあるサウジアラビア総領事館で死亡した事件をめぐり、サウジアラビア政府は殴り合いの末に死亡したと説明する一方、トルコのエルドアン大統領は、「残酷で計画的な殺人だ」と述べ、偶発的に死亡させたとする説明に強く反論しています。

アメリカの有力紙ワシントン・ポストの電子版は24日、関係者の話として、トルコを訪れたCIAのハスペル長官がカショギ氏の殺害の様子を収めたとする音声記録を確認したと伝えました。

事件をめぐってアメリカのトランプ大統領は、「かつてないほどひどい隠蔽だ」と述べ、サウジアラビアの対応を批判する一方、サウジアラビアからの投資への期待を背景に両国の同盟関係を重視する姿勢もみせています。

ワシントン・ポストは音声記録の詳しい内容について明らかにしていませんが、アメリカに対してサウジアラビア政府に事件の責任を負わせるべきだとの声が高まるとの関係者の見方を伝えていて、今後のトランプ大統領の対応が注目されています。