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アメリカの有力メディア、「ワシントン・ポスト」などは23日、トランプ大統領がことし3月に情報機関を統括するコーツ国家情報長官とNSA=国家安全保障局のロジャーズ長官に対し、去年の大統領選挙でトランプ陣営と選挙に干渉したとされるロシアとの間の共謀を示すような証拠はないと公に疑惑を否定するよう求めていたと報じました。


報道によりますと、当時はFBIのコミー長官が議会の公聴会で大統領選挙をめぐるトランプ陣営とロシアの関係について捜査を進めていることを公表した直後で、トランプ大統領にはこれに対抗する狙いがあったとしていますが、コーツ長官とロジャーズ長官はいずれも適切ではないと見なして拒否したということです。


これについてホワイトハウスは「違法な情報漏えいに基づく主張には確認も否定もしない」とコメントしています。
またコーツ長官も23日、議会上院の公聴会で「私の立場の性質上、どのような事柄であれ公にコメントしたり大統領との会話について語ったりするのは適切ではないと考えている」と述べて確認を避けました。


トランプ陣営とロシアの関係をめぐっては、トランプ大統領がことし2月、当時FBIの長官だったコミー氏に対し、元側近への捜査をやめるよう求めていた疑惑も報じられていて、トランプ大統領による捜査機関や情報機関への圧力があったのかどうかに大きな関心が集まっています。


去年の大統領選挙でロシアによる干渉があったとされる問題では、トランプ陣営の関与がなかったかを解明するため、FBI連邦捜査局がすでに捜査に着手しているほか、アメリカ司法省がより独立性の高い特別検察官を任命しています。


こうした中、23日下院の情報委員会が開いた公聴会で、ことし1月までCIAのトップを務めたブレナン前長官は、「ロシアの政府当局者とトランプ陣営の関係者との接触を裏付ける情報を手にしていた。さらに捜査を進めべきと判断するに足りる情報があった」と述べ、捜査の正当性を強調しました。


さらに、ロシア側が大統領選挙に干渉しようとしているとの情報があったことから、去年8月、ロシアの連邦保安庁長官に警告したところ関与を否定されたことも明らかにしました。


ただブレナン前長官は、ロシアの政府当局者が接触したトランプ陣営の関係者などから実際に協力を得ることができたのかどうかについては、すでにCIAを退任したことを理由に「今も解明できない疑問として残っている」と述べるにとどまりました。


ブレナン前長官の発言についてホワイトハウスは声明を発表し、「1年におよぶ捜査にもかかわらず、ロシアとトランプ陣営の共謀関係を示す証拠は全くない」などと反論しています。


就任後、初の外国訪問を続けているトランプ大統領は、24日に滞在先のローマからバチカンに向かい、スイス人の衛兵の先導で、ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王の待つ部屋までゆっくりとした足取りで向かいました。そして、うやうやしい態度で法王と握手を交わすと、神妙な面持ちで机を挟んで向き合い、会談が始まりました。


去年のアメリカ大統領選挙では、「国境に壁を作る」などと過激な発言を繰り返すトランプ氏について、フランシスコ法王は、「キリスト教徒の発言ではない」と批判しました。これに対し、トランプ大統領は「宗教指導者が、個人の信仰に疑いを差し挟むことは、恥ずべきことだ」と反論し、その直後に「法王とは争いたくはないし、争いだとは思っていない」と述べるなど、あつれきが生じたいきさつがあります。


トランプ大統領とフランシスコ法王は、30分間、2人だけで会談し、内容は明らかになっていませんが、ホワイトハウスの高官は、「大統領は、法王の見解に素直に耳を傾ける」と述べており、温暖化など地球規模の問題をめぐって、意見を交わしたものと見られます。


会談のあと双方は贈り物を交換し、トランプ大統領からは公民権運動の指導者のキング牧師の著書などが、また法王からは環境についての文書などが、贈られたということです。


このあとトランプ大統領は、今週開かれるG7=主要7か国の首脳会議の議長国を務めるイタリアのジェンティローニ首相らと会談することになっています。

フランシスコ法王は、これまでトランプ大統領の選挙期間中から難民問題や地球温暖化に対する姿勢に懸念を示してきました。


ことし1月にトランプ大統領が就任した際、法王はメッセージを送り、「人類が深刻な人道危機に見舞われている今、政治家には広い視野を持ち各国と連携して対応に当たることが求められている。あなたが世界中で人間の尊厳と自由を守るために貢献してきたアメリカを体現するような、豊かな精神性と倫理観を持って決断を行っていくよう祈ります」として、アメリカの国益を最優先にしようとするトランプ大統領をけん制しました。


その後、ことし2月には、トランプ大統領が意欲を示しているメキシコとの国境沿いの壁の建設をめぐって、「壁ではなく橋を造るべきだ。ましてキリスト教徒ならばその費用を払え、などとは言わない」と述べて非難していました。