欧州中央銀行 量的緩和など金融政策の維持決定 #nhk_news https://t.co/QnhdY41AXu
— NHKニュース (@nhk_news) 2017年7月20日
ヨーロッパ中央銀行は20日、単一通貨ユーロの金融政策を決める理事会をドイツのフランクフルトにある本部で開きました。
その結果、主要な政策金利を0%に、金融機関から資金を預かる際の金利をマイナス0.4%にそれぞれ据え置いたほか、各国の国債などを1か月当たり600億ユーロまで買い入れ、市場に大量の資金を供給する量的緩和の規模を維持することを決めました。
ヨーロッパ中央銀行のドラギ総裁は先月の理事会のあとの記者会見で、政策金利のさらなる引き下げは必要ないという認識を示し、市場では金融緩和の縮小にかじを切るのではないかという見方が広がっていました。
ただ、今回の理事会では物価の上昇傾向は続いているものの力強くはなく、動向を見極める必要があるとして、今の政策を維持する結果となり、金融緩和の縮小に向けた議論は、ことし9月に予定される次の理事会以降に持ち越されることになりました。
ヨーロッパ中央銀行のドラギ総裁は理事会のあとの記者会見で、政策の維持を決めた理由について「インフレ率は望ましい水準に至っていない。粘り強く、忍耐強い姿勢を続ける必要がある」と述べました。
そのうえで、焦点になっている金融緩和の縮小について、「議論は秋に行われるべきだ」と述べ、ことし9月か10月に開かれる理事会で議論する考えを示しました。
ECB理事会後のドラギ総裁発言要旨 https://t.co/6iEHfHMLec pic.twitter.com/YeUi7h3T6y
— ロイター.co.jp (@Reuters_co_jp) 2017年7月20日
<資産買い入れプログラムの変更の可能性>
まだそのような時点に至っていないため、われわれは粘り強く、かつ忍耐強く対応する必要がある。
われわれはまた、フォワードガイダンスの変更はないとのメッセージを発すること、将来的な変更について討議する具体的な日程は設定しないことで、全会一致している。つまり、討議は秋に実施されると単に言ったに過ぎない。
<9月にどのような行動を取るか>
われわれは、9月にどのような行動を取るのか協議していない。9月以降に何を行うかについてはなお更だ。日程を設定しないというのが全会一致の意見だ。
われわれは考えるとともに、多くの情報を入手する必要がある。多くの不確実性が存在する。理事会は完全な情報を入手していない状況で、決定を下さなければならない状況は望んでいない。
<秋の量的緩和議論>
秋に議論しようとしている。その時点までに入手可能なあらゆる情報を得る必要があるため、具体的な日程を設定したくなかった。
さまざまな事柄を議論することになるだろう。まずはインフレ軌道が、持続的かつ自律的な形でわれわれの目標に収れんするかを見極める必要がある。
<労働市場に対する賃金増の鈍さ>
結論としては、危機前の関係に最終的に戻るだろうと考えている。
労働市場に注目したが、こうした反応が通常時より遅れる原因はほかにもある。デレバレッジの過程ももう1つの要因だ。
われわれには一貫して自信があり、歩んでいる。自信と慎重さ、忍耐を併せ持っている。
まずは、第3次(支援)に関する見直し作業を完了させる必要がある。ギリシャ政府が、市場からの資金調達再開を決めた。これは言うまでも無く、同国政府が決めることだ。ただ、市場の信頼感回復には、プログラムの着実な実施と、信頼性が不可欠だ。
市場からの資金調達が、第3次プログラム完了に関わる全般的な戦略の一環として行うべきで、市場復帰は持続的な形で進めることが望ましい。したがって他の事柄について語るのは時期尚早だ。
<われわれは用意を整えている>
見通しが悪化した場合、また、金融情勢がインフレの道筋の持続可能な調整に向けた一段の進展に整合しなくなった場合、われわれは資産買い入れプログラムを規模、期間の面で拡大させる用意がある。
<見通し改善>
われわれの評価について、シントラやタリンで述べたことと、質疑応答と冒頭発言の内容はさほど異なるものでない。
いずれも、ユーロ圏の成長見通し改善が疑いのないものだと基本的に評価している。
<安定的な経済拡張>
ユーロ圏経済の拡張が引き続き力強くなっていることが、入手される情報で確認されている。こうした拡張はセクター、地域にわたり拡大している。
成長見通しに対するリスクは広範に均衡している。
<堅調な回復>
ようやく底堅い回復を実感しつつあり、賃金や物価がわれわれの目標に向かうのを待つだけだ。理事会が現在、最も好ましくないと考える事態は、金融環境が望まない形で引き締まり、このプロセスを減速させたり、脅かす可能性が生じたりすることだ。
<構造改革鈍く>
経済成長見通しは引き続き、構造改革の鈍い実行ペースで押し下げられている。ユーロ圏の成長見通しを巡るリスクは、おおむね均衡している。一方で、現在の前向きな循環的な勢いにより、景気が予想以上に底堅く上向く可能性も高まる。他方、主に世界的要因に関連した下向きリスクはなお存在する。
<為替相場>
為替相場のリプライシングは、さまざまな取引で多様な形で一定の注目を集めた。
<インフレ目標への収れんプロセスに政策が寄与>
インフレ率を中期的に2%近辺だが下回る水準に持続的な形で収れんさせるのに必要な、非常に支援的な金融環境を、われわれの金融政策は確保し続けてきた。
<総合インフレ率>
総合インフレ率は今後数カ月間、現行水準付近で推移し続ける公算が大きい。
<成長リスク>
成長見通しに対するリスクはおおむね均衡している。
<インフレのダイナミクスなお力強さ欠く>
継続的な景気拡大により、インフレ率が緩やかに目標に向かって上昇していくとの自信を深めているが、インフレのダイナミクスが力強さを増している兆候はまだ出ていない。
<基調インフレ>
総合インフレ率はエネルギー価格の値下がりにより押し下げられている。加えて、基調インフレに関する指標はおおむね、抑制された水準に依然とどまっている。
#ECB