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おにぎりなどの販売とコピー機サービスが中心だったコンビニは、公共料金の支払い、揚げ物などの店内調理、チケットの発券、宅配便の受け渡し、いれたてコーヒー、イートインと、サービスが増えるにつれて店員が行う業務も膨れ上がってきた。店舗数が飽和に近いと言われる中で、コンビニ業界内はもちろん、他業界との競争も激化しており、その状況下で業務が増えることは「まさに二重苦」(植野室長)。改革推進室では、現在行っている業務の半減を目指して見直しを進めている。


例えば、1店舗当たりの宅配便の取り扱い量が昨年比倍になる中で、クレームも倍になっているという。これまで、100ページあった宅配便のマニュアルを10枚程度のシートにまとめ、誰でもすぐに対応できるように見直し、クレームの減少を狙う。また、客の年齢や性別を打ち込むキーをなくすなど、110億円を投じて順次レジを刷新する。

改革推進室の立ち上げ以降、グーグル(GOOGL.O)、LINE (3938.T)と次々に提携を結ぶなど、テクノロジーの取り込みも積極的だ。店舗においては、LINEの人工知能「clova」を使い、在庫管理や受発注を自動で行うだけでなく、どのような客が来店しているかを把握、商品の推奨や外国語での説明など、ひとりひとりに合ったサービスを提供するなどの構想を描く。


ただ、ITを駆使した未来のファミマについて、沢田社長は「アマゾンGO」との違いを強調する。アマゾンGOは、入店から決済まで、人手を介することなくできるため、店員は極力少なくなる。一方、未来のファミマは「もっとアナログになる」という。発注の精度を上げたり、検品を完全になくすなど、ITを活用する一方で、余裕が生じた店員は、高齢者の見守りや地域との関わりを増やすなど「人にしかできない仕事をもっと高める。地域になくてはならない存在になる」。


グーグルと一緒に進めている本部の改革では、「一番大変な部署で変えることができれば、どこでも変えることができる」(植野室長)ということで、主に出店業務などを担う「開発本部」から行っている。グーグルには「今やっている仕事は本当に価値があるか、何かを創造しているか、ということを常に問い掛けつづける文化がある。ビジネスプロセスを変えるだけでなく、社内カルチャーを変える」という。