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ロシア国営通信によりますと、中ロの海軍による合同演習は、今月22日から中国の最新のミサイル駆逐艦やロシアの艦船、ヘリコプターなどが参加してバルト海で始まり、27日、両国の国営テレビがその様子を伝えました。演習では、不審船に見立てた船の甲板に特殊部隊がヘリコプターから降り立ち、臨検を行ったほか、海難救助や実弾を使った砲撃なども行われています。


中ロの海軍は、5年前から毎年、合同演習を行っていますが、アメリカが主導するNATOの加盟国が取り囲むバルト海で行うのは今回が初めてです。


中ロ両国は「合同演習は第三国を対象にしたものではない」としていますが、ロシアは、クリミア併合の問題などでアメリカやNATOと対立を深め、中国はみずからの領有権を主張している南シナ海の問題でアメリカなどと対立していることから、今回の演習は中ロの連携をアピールすることで、アメリカなどをけん制する狙いがあると見られます。


中ロの海軍は、ことし9月には日本海オホーツク海で合同演習を行うとしています。

中国とロシアの海軍がバルト海で合同演習を行ったことについて、ロシアのプーチン大統領は27日、訪問先のフィンランドで記者団の質問に答え、バルト3国など周辺国がロシア軍の活動に懸念を示していることを踏まえ、「第三国に向けられたものではない。中ロ両国がみずからの技術を磨いているだけだ」と述べました。そのうえで、プーチン大統領は「ロシアと中国の協力は、軍事も含めて、世界の安全と安定にとって最も重要だ」と述べ、軍事大国のロシアと経済大国の中国が連携することの意義を強調しました。


これは、ロシアのプーチン大統領が27日訪問先のフィンランドで開いた記者会見で明らかにしたものです。


この中でプーチン大統領は、アメリカの議会下院が今月25日、サイバー攻撃によって去年のアメリカ大統領選挙に干渉したとされる問題や、ウクライナ情勢をめぐってロシアに新たに制裁を科す法案を可決したことについて「ロシアとアメリカの関係がアメリカ国内の政治問題の犠牲になってしまっていることはとても残念だ。いつかこうした状況が終わることを望んでいる」と述べました。


その一方で「これまでとても辛抱強く抑制的にふるまってきたが今回はなんらかの対応をとらざるをえないだろう」と述べ、トランプ大統領が法案に署名して制裁の実行が決まった際には対抗措置に踏み切らざるをえないという考えを明らかにしました。


これまでロシアは、サイバー攻撃の問題をめぐってアメリカがとってきた報復措置には対抗措置はとっていませんが、プーチン大統領としてはさらに新たな制裁を科す動きに強く抗議するとともに、アメリカ側をけん制したものと見られます。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20170727#1501152011