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ドイツの連邦議会選挙は、難民や移民の受け入れの在り方や治安対策などを争点に、24日、投票が行われ、日本時間の午前1時から開票が行われています。


ドイツの公共放送ZDFは、各地の投票所で行った出口調査に基づく予想得票率を発表し、メルケル首相率いる中道右派キリスト教民主・社会同盟が33.5%、中道左派社会民主党は21%と伝えました。


メルケル首相は日本時間の午前2時前、「みずからが率いる中道右派の与党が第1党となり、政権維持に向けた支持を得た」と勝利宣言し、首相を続投し、4期目の政権を維持することに強い自信を示しました。しかし、メルケル首相の与党は得票を大きく減らし、単独での過半数獲得は厳しい情勢です。


一方、これまで連立を組んでいた社会民主党のシュルツ党首は「われわれが野党第1党になる」と述べて、選挙後は連立に加わらず野党として活動する考えを示しました。


このため、メルケル首相は、政権の維持に向けて複数の小政党と連立を組む必要があり、協議が難航することも予想されます。


また、ZDFは、難民の受け入れに反対する新興の右派政党「ドイツのための選択肢」の予想得票率は13%で、連邦議会に初めて議席を確保するだけでなく第3党に躍進する見通しを伝えています。


開票作業は今も進められていて、日本時間の25日午前中には結果が判明するものと見られます。

メルケル首相は日本時間の25日午前2時前にベルリンにあるキリスト教民主同盟の党本部で演説し、「われわれはもっとよい結果を望んでいた」と述べて、議席を減らす見通しとなったことを認めたうえで、「それでもわれわれが第1党となり、政権維持に向けた支持を得た」と述べ、首相を続投し、4期目の政権を維持することに強い自信を示しました。
そのうえで、「連携した強いヨーロッパのために取り組んでいく。国民が期待している繁栄をもたらす経済政策と治安対策にも力を入れたい」と抱負を述べました。


また、新興の右派政党「ドイツのための選択肢」が連邦議会で初めて議席を獲得する見通しとなったことについて、メルケル首相は「新しい深刻な課題だ。今後、『ドイツのための選択肢』に投票した人たちが抱える問題を解決し、懸念に配慮し、そして何よりもいい政策を実行していくことで彼らの信頼を取り戻していきたい」と述べました。


連邦議会で初めて議席を確保し第3党に躍進する見通しとなった新興の右派政党「ドイツのための選択肢」のペトリ党首は、記者団の取材に応じ、「今回の結果はドイツの民主主義に対する警告だ」と述べ、メルケル首相が率いてきた連立与党を改めて非難しました。
そのうえで、「今後の議会活動を通じて遅くとも2021年までに真の政治の転換を実現する」と述べ、今後4年間、野党の立場で次の政権に対抗していく姿勢を強調しました。


フランスの極右政党、国民戦線のルペン党首は24日、ツイッターを更新し、「私たちの友人である『ドイツのための選択肢』の歴史的な得票に万歳!ヨーロッパの人々の目覚めの新たな象徴だ」と書き込み、ことし春に行われたフランスの大統領選挙で国民戦線が決選投票にまで進んだのに続いて、ドイツでも「ドイツのための選択肢」が躍進したことを歓迎しています。


オランダの極右政党、自由党ウィルダース党首もツイッターに「ドイツのための選択肢」のペトリ党首と国民戦線のルペン党首と3人で写った写真を投稿し、「われわれは自分の国と国民のために戦う」と書き込み、各国の極右政党や右派政党と連携してそれぞれの国で与党に対抗していく決意を表明しています。


ドイツの連邦議会選挙は、開票の結果、各党の得票率は、メルケル首相率いる中道右派キリスト教民主・社会同盟が33%、第2党で中道左派社会民主党が20.5%で、最終的な議席は確定していないものの、いずれの政党も議席を減らす見通しです。


これに対して、難民の受け入れに反対する新興の右派政党「ドイツのための選択肢」は12.6%で、連邦議会に初めて議席を獲得し、一気に第3党に躍進することになりました。


党本部で演説したメルケル首相は、厳しい選挙結果となったことを認めたうえで、「われわれは第1党にとどまり、政権維持に向け支持を得た」と述べ、4期目の政権の発足に向けて各党との連立交渉に臨む考えを示しました。


しかし、これまで連立を組んできた社会民主党が、すでに交渉に応じない姿勢を示していることなどから、今後の交渉は、環境保護派の「緑の党」と、自由主義経済を掲げる「自由民主党」の2つの少数政党との間で行われる見通しです。


ただ、これらの政党は環境政策や難民・移民の受け入れをめぐり立場が異なるため、メルケル首相が双方を説得するのは容易ではなく、連立交渉が難航することも予想されます。

ドイツの連邦議会選挙は299のすべての選挙区で開票作業が終わり、選挙管理委員会が日本時間の25日午後0時半ごろ、各政党の獲得議席数を発表しました。


それによりますと、中道右派キリスト教民主・社会同盟が前回よりも65議席少ない246議席中道左派社会民主党が40議席少ない153議席となり、連立を組んできた2大政党が、いずれも大幅に議席を減らしました。


一方、新興の右派政党「ドイツのための選択肢」が94議席を獲得して一気に第3党に躍進したほか、前回、議席を失った「自由民主党」も80議席を獲得しました。また、「左派党」が前回よりも5議席多い69議席、「緑の党」が4議席多い67議席を獲得しています。


ドイツ連邦議会の法律で定められた議席数は598議席ですが、小選挙区比例代表を組み合わせた特殊な選挙制度で、定数を超える議席が認められるため、今回の選挙結果を受けて、議席数は合わせて709議席となりました。投票率は76.2%で、前回の選挙よりも4.7ポイント高くなりました。

ヨーロッパではことし、オランダ、フランス、イギリス、ドイツといった主要国で相次いで国政選挙が行われ、いわば「選挙イヤー」の様相を呈してきました。選挙ではいずれも、EU=ヨーロッパ連合との関わり方や、内戦が続くシリアなど中東やアフリカからの難民や移民の受け入れの是非などが、大きな争点となりました。


まず3月にオランダで議会下院の選挙が行われ、ルッテ首相が率いる中道右派の与党と、移民の排斥やEUからの離脱を掲げるウィルダース党首が率いる極右政党・自由党が、第1党の座を争いました。その結果、与党が第1党を維持し、自由党は第2党にとどまったものの大きく議席を伸ばしました。


4月から5月にかけてはフランスで大統領選挙が行われ、現在のマクロン大統領と、移民の制限やEUからの離脱の是非を問う国民投票の実施を掲げた極右政党・国民戦線のルペン党首が決選投票に進みました。決戦投票では、マクロン大統領が勝利したものの、ルペン党首も投票総数のおよそ3分の1を獲得し、フランスの憲政史上、極右政党の候補者として最も多くの支持を集めました。


そして今回、EUの中でも最も経済が安定し、難民の受け入れに寛容だったドイツで行われた連邦議会選挙でも、優勢が伝えられていたメルケル首相が率いる与党が苦戦し、難民の受け入れに反対する右派政党「ドイツのための選択肢」が初めて議席を獲得し、一気に第3党に躍進しました。


各国で行われた選挙では、難民や移民への厳しい対応を求める右派政党が勝利こそ収めなかったものの、国民の不安や不満の受け皿となり大きく支持を伸ばす結果となっています。