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シリア北部のラッカで、アメリカ主導の有志連合の支援を受けて軍事作戦を続けてきたクルド人主体の「シリア民主軍」は、17日ラッカを制圧しました。


シリア民主軍は、その後も市内に潜むIS戦闘員の掃討や爆発物の撤去を続け、20日、ラッカを完全にISから解放したとして、正式に勝利宣言を行いました。


ISが最後まで抵抗を続けたラッカ中心部のスタジアムで行われた式典では、シリア民主軍の部隊が整列し、報道官が「ISが首都と称したラッカを戦闘の末に制圧し、勝利を成し遂げたことを宣言する」とする声明を読み上げました。


そして今後、ラッカの統治は、地元の住民が担うことになると強調したうえで、ISの支配と戦闘によって破壊された町の復興に向けて、関係国や人道支援団体に協力を求めました。


隣国イラクに近い東部のデリゾール県でも、ISはゲリラ戦を続けていますが、ロシアの支援を受けたアサド政権によって追い詰められつつあり、組織として住民を支配する力は失っています。


ただ、シリア内戦の情報を集めているシリア人権監視団は、IS戦闘員の一部が隣国のトルコに逃げ込んだと伝えていて、テロの脅威は依然残ったままとなっています。


アメリカの支援を受けてシリア北部のラッカを制圧したクルド人勢力の部隊は19日、市内の広場で、トルコのクルド人武装組織、PKK=クルド労働者党の指導者、オジャラン受刑者の肖像画の横断幕を掲げました。


これについてトルコ国内では、クルド人勢力の部隊がみずから、テロ組織であることを示したものだという指摘が出ています。


トルコは以前から、このクルド人勢力とPKKのつながりを指摘していて、同盟国のアメリカに対しても支援しないよう求めましたが、アメリカは、過激派組織ISと地上で戦う重要な戦力として武器の供与を決め、両国の関係が冷え込む大きな要因となりました。


トルコのエルドアン大統領は、20日の記者会見で「ラッカでテロリストの横断幕が掲げられたことを、アメリカはいったいどう説明するのか。テロとの戦いで私たちの側に立っていない」と述べて強く反発するなど、波紋が広がっています。