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イラク北部にあるクルド自治政府は14日、声明を出し、イラク最高裁判所が示した憲法の解釈を「尊重する」としたうえで、これを中央政府と交渉開始の土台にする考えを示しました。


最高裁判所は6日に、イラク憲法上、いかなる地域も分離は認められないとの判断を示しており、クルド自治政府は、これを「尊重する」としたことで譲歩した形です。


クルド自治政府がことし9月に行った住民投票では、9割を超える圧倒的多数がイラクからの独立を支持しましたが、中央政府憲法違反だとして、クルド側が押さえていた自治区外の地域をすべて奪い返したほか、自治区を発着する国際線の運航を停止するなど制裁を続けてきました。


また、トルコやイランなど周辺国が、自国内のクルド人に影響が及ぶことを懸念して独立に強く反対したほか、欧米諸国もイラクの一体性を支持し、クルド自治政府は厳しい状況に追い込まれていました。


イラク中央政府は、これまでクルド側に対し、住民投票の無効を認めるよう求めており、今回のクルド側の声明にどう反応するか注目されています。


これに対し、イラクのアバディ首相は、14日記者会見で、「私たちは引き下がらない。クルド自治政府は2003年当時の境界線まで戻り、自治区と周辺国の間の国境管理の権限を中央政府に引き渡すよう求める」と述べ、言葉だけでは不十分だという姿勢を示しました。


そのうえでアバディ首相は、いつまでも待っていることはできないとして、中央政府の要求に応じなければ相応の措置を取ると警告しました。
アバディ首相はクルド側に対し、圧倒的多数が独立に賛成した住民投票を無効だと認めるよう求めていますが、クルド側は応じない姿勢で、対立が収束に向かう見通しは立っていません。