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イラク北部のクルド自治政府は、25日に独立の賛否を問う住民投票を行うことにしていて、イラク政府や周辺国、それに国連などは国の分断や地域情勢の不安定化につながると批判しています。


こうした中、クルド人自治区の中心都市アルビルでは22日、独立に賛成の立場をとる主要政党が合同で集会を開き、会場となった競技場は数万人の市民で埋め尽くされました。


投票前の最後の演説に臨んだバルザニ議長は、独立への賛成に票を投じるよう呼びかけるとともに、「われわれは喜んで中央政府と話し合う用意があるが、それは25日のあとだ」と述べ、投票で賛成多数を得たうえで中央政府との交渉に入る考えを改めて示しました。


集会に参加した男性は「誰にも自分の国があるのに、われわれだけは国がない。イラクから独立すべきだ」と興奮気味に話していました。


自治政府は、イラク国外にいるクルド人によるインターネットを使った在外投票をすでに23日から始めていて、中央政府のほか、トルコやイランなど周辺国との間で緊張が高まるのは避けられない情勢です。

イラクのジャファリ外相は22日、「イラクやアラブの国々だけでなく、世界にとっての問題になる」と非難しました。


そのうえでジャファリ外相は、国連安全保障理事会が21日、住民投票は地域を不安定にしかねないと懸念を表明する声明を発表したことを踏まえ、「イラクの統一を損なう住民投票は誤りだと国連安保理アラブ連盟も表明している」と述べ、イラク政府の立場は国連や関係国から支持されていると強調しました。


イラククルド自治政府のいわば「外相」にあたる対外関係の責任者ファラハ・ムスタファ氏が、国連総会が開かれているニューヨークでNHKの単独インタビューに応じました。


この中でムスタファ氏は、クルド自治政府が25日に実施する独立の賛否を問う住民投票に、イラク政府や周辺国が反対していることについて、「クルド自治政府が駆け引きをして政治的な利益を引き出そうとしているという見方があるが、住民投票はわれわれの権利だ」と述べ、投票の延期や中止はないと断言しました。


そのうえで、住民投票をめぐって国連が地域を不安定にしかねないと懸念する声明を発表したことについて、ムスタファ氏は「国連は独立を支持する地域もあれば独立を支持しない地域もあり、ダブルスタンダードで偽善だ」と反発しました。


また、住民投票では独立への賛成が多数を占めると見られていますが、ムスタファ氏は投票結果を受けてすぐに独立するわけではなく、イラク政府と対立する油田地帯のキルクーク県の管轄権など条件面については双方が受け入れられる条件を交渉で探るとして、各国に理解を求めていく考えを示しました。