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過激派組織ISのバグダディ容疑者をめぐっては、ことし6月、ロシア国防省空爆で殺害した可能性があると発表しましたが、先月、アメリカ軍はシリアとイラクの国境地帯で生存している可能性があるとの見方を示しました。


こうした中、ISは28日、バグダディ容疑者の演説だとする長さ46分の音声をインターネット上に公開しました。ISがこうした音声を公開するのは、イラク軍によるモスル奪還作戦に徹底抗戦を呼びかけた去年11月以来です。今回の音声が録音された時期は不明ですが、アメリカの力は弱まっていると主張し、根拠の1つとして「北朝鮮核兵器アメリカや日本を脅している」と述べるなど、最近の国際情勢を踏まえたような発言があります。そのうえで、ISの戦闘員に対し、厳しい状況に耐え、戦い続けるよう呼びかけています。


ISはイラクやシリアで次々に支配地域を失い弱体化が著しいだけに、死亡説も出ている指導者の音声を公開することで求心力を保とうという狙いがあると見られます。


イラク北部のクルド自治政府は25日、イラクからの独立の賛否を問う住民投票を行い、独立賛成が有効票のおよそ93%を占めたと発表しましたが、一方のイラクのアバディ首相は「住民投票イラク憲法にも人々の平和的な共存にも反する」と非難し、双方の対立が深まっています。


こうした中、アメリカ軍が主導する対IS作戦の有志連合のディロン報道官は28日、「ISに対しレーザービームのように集中して攻勢をかけていたが、いまやそれが100%ではなくなっている」と述べ、これまで対IS作戦で連携していたイラク政府とクルド自治政府の足並みが乱れ作戦に影響が出ているとして、懸念を表明しました。


またディロン報道官は、ISが首都と位置づけるシリアのラッカについて、町の75%以上を解放したとしながらも、400人から800人ほどのISの戦闘員が町にとどまり、市民を人間の盾にして抵抗を続けているとして、作戦を慎重に進めていることを明らかにしました。


アメリカのトランプ政権は、ISの壊滅を最優先課題の1つに掲げていますが、掃討作戦にはなお時間がかかるものと見られます。