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トランプ政権は、ワシントンで日付が24日に変わった日本時間の午後1時すぎ、中国からの2000億ドルの輸入品に10%の関税を上乗せするこれまでで最大の制裁措置を発動しました。

対象には食料品やかばん、それに電器製品など生活に身近な製品も含まれ、これまでの措置と合わせると輸入品のほぼ半分が制裁の対象になりました。

一方、中国もアメリカの制裁と同時にLNG=液化天然ガスなど600億ドルの輸入品に関税をかける報復措置を発動し、アメリカからの輸入品の70%以上に関税を上乗せすることになりました。

トランプ大統領は、「中国が報復措置をとるなら、追加で2670億ドルの制裁措置を実行する」と述べ、次は中国からのほぼすべての輸入品を制裁の対象にする構えを見せています。

米中両国は、貿易問題を話し合うため、今月、閣僚級の協議を開くことで、一時調整に入りましたが、開催は見送りになる見通しで、両国の貿易をめぐる対立は激しくなる一方です。

発端はことし3月、トランプ政権が、通商拡大法232条に基づいて鉄鋼製品に25%アルミニウムに10%の関税を上乗せして輸入を制限する措置を発動したことでした。

これに反発した中国は、アメリカから輸入する豚肉など、128品目に高い関税をかけて対抗しました。

トランプ政権は、それにとどまらず中国がアメリカのハイテク技術を不当に手に入れて知的財産権を侵害しているとして通商法301条に基づいて、25%の関税を上乗せする制裁措置に踏み出しました。

ことし7月、第1弾として中国製の産業用ロボットや航空、鉄道関連の製品など818品目、340億ドル規模の輸入品に関税をかけました。対する中国はアメリカ産の大豆や牛肉、自動車など545品目に25%の関税を上乗せして報復。規模はアメリカと同じ340億ドルでした。

第2弾は先月。アメリカは中国製のプラスチック製品や半導体、それに光ファイバーなど279品目、160億ドルの輸入品を対象にしました。中国も負けず、アメリカからの航空燃料や、ディーゼル車、医療用機器など333品目に同じ規模で報復の関税をかけて対抗しました。

トランプ政権は、中国による報復にさらに対応をエスカレートさせ、今回第3弾の制裁として、これまでの規模を大きく上回る5745品目、2000億ドル規模の輸入品に対する関税の上乗せを発動。これまでのようなハイテク製品だけでなく、豚肉やビール、ワインなどの食品・飲料をはじめ、家具、かばん、帽子、それに掃除機や冷蔵庫といった電器製品など生活に身近な消費者向けの幅広い製品が含まれ、中国からの輸入品のほぼ半分が制裁の対象になりました。

中国も、アメリカからのLNG=液化天然ガスやコーヒー豆など金属加工機械、それにおもちゃなど5207品目、金額にして600億ドル規模の輸入品に関税を上乗せして対抗しました。アメリカからの輸入品の70%以上が関税上乗せの対象となりました。

トランプ政権が発動を発表した第3弾となる制裁措置を受けて「ヤマハ発動機」は、対象になった中国で生産しているゴルフカートのエンジンなどの輸出を増やしていて、制裁の発動前にアメリカの組み立て工場の在庫を積み増しています。

このほか、これまでの制裁措置を受けた動きとしては大手建設機械メーカーの「コマツ」が、中国で生産していたショベルカーなどの建設機械の部品の一部を先月から日本とメキシコに移しました。

大手電機メーカーの「三菱電機」は、レーザー加工機などの工作機械を中国の大連で生産していましたが、先月、名古屋市にある工場に生産を移しました。

機械メーカーの「東芝機械」は中国からアメリカ向けに輸出しているプラスチック部品を作る機械の生産を来月から静岡県沼津市とタイの工場に移すことを決めました。

一方で、事態を静観しているメーカーも多くあります。中国やアメリカに工場がある「トヨタ自動車」や「日産自動車」、それに「ホンダ」や「マツダ」の自動車メーカー各社は、車の生産や部品の調達の現地化を進めていて、生産をほかの国に移す対応は検討していないとしています。

半導体大手の「ルネサスエレクトロニクス」は製品の一部を中国の工場からアメリカに輸出していますが、売り上げの1%程度にとどまることから、当面は状況を静観することにしています。

中国でカーラジオ用のチューナーやパソコン用のブルーレイディスクの機器などを生産している「パイオニア」も、アメリカ向けの売り上げの規模は小さいとして具体的な対応は決めていません。ただ、米中の今後の対立によっては生産体制の見直しを検討するとしています。

米中両国が互いに関税をかけあう貿易摩擦が激しくなる中、中国政府は24日午後、みずからの立場を説明する3万6000字に及ぶ文書を発表しました。

この中で、「2017年のトランプ政権の誕生以来、アメリカは単独主義保護主義、それに経済覇権主義を実行し、関税引き上げなどの手段で経済的などう喝を繰り返してきた」と指摘してトランプ政権による一連の制裁措置を激しく批判しました。

またアメリカ経済を支えてきた中国の安い輸入品が関税の上乗せで値上がりすればアメリカの消費者の利益を損なううえ、製造業のコストがあがって雇用にも影響するため、制裁措置で困るのはアメリカ自身だと指摘しました。

さらに、中国がアメリカの技術を不当に手に入れているというアメリカの批判に中国政府は、国際ルールを順守していると反論し、知的財産権を断固として守り中国で活動する外国企業の権益も保護していると強調しました。

ただ、文書では「米中両国にとって協力こそが唯一の正しい選択だ」とも指摘し、アメリカに話し合いによる解決を呼びかけました。

https://d1021.hatenadiary.jp/entry/2018/09/23/200215(TPPやFTAは、自由貿易の理念に反するブロック化協定です。)