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 富山からシベリア鉄道経由でモスクワまで貨物を輸送する富山県の2回目の実証実験は、到着までの期間が目標の15日を大幅に超える19日となった。1回目の実験でも16日かかっており、今年度の実験で目標を達成できなかった。県は、シベリア鉄道経由の物流ルートの採用を企業に呼びかけていく方針だが、最大のアピールポイントの「15日」をうたうには課題があることも浮き彫りとなった。

 9月20日に伏木富山港を出発したコンテナは、予定では15日後の10月5日にはモスクワへ到着するはずだった。しかし、ウラジオストク税関での検査で、コンテナから規定以上の放射線が検出されたという結果が出たため、3日間足止めされた。再検査で放射線は検出されず、予定より遅れてウラジオストクを出発、モスクワに着いたのは10月9日だった。

 県は「モスクワまで15日」を目標にシベリア鉄道ルートの速さを実証することで、伏木富山港の貿易品目や取引額を拡大したい考えだが、1回目はサッカーワールドカップによる混雑などで鉄道が遅れて16日かかり、2回目はさらに多くの日数を要する結果となった。

 目標を超過した理由は、いずれも「予想外の事態」(県担当者)で、物流が机上の計画通りにはいかない現実を突きつけた。それでも、海上輸送では50日程度かかるため、シベリア鉄道を使えば大幅な短縮につながることに変わりはない。

 県は今後、富山―モスクワの輸送を一貫して請け負うロシアの大手輸送会社「FESCO」と協議し、遅れの要因を検証する。来年度も実験を続け、15日での到着を目指す方針だ。