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「子供を対象にした教室で主に取り扱うのは算数・数学、国語、英語の3教科。十数人の東大生に直接話を聞いた結果からすると、国語の評判はさほどでもない。英語は最近、イー・ペンシルという電子機器を教材に連動させてから学習効率が格段に上がり、受講者が増えているようだが、現在の東大生が通ったころにはそのような革新的な機器はなく、公文式の英語が役に立ったという返答はわずかだった。『やってて良かった!』というのは、やはり圧倒的に算数・数学である

 実際に多くの人が公文式と聞いてイメージするのも、基本的な計算を教えてくれる教室というところではないだろうか。

「教室に通うのは週2回と決まっている。(略)好きな時間に教室に行って、決められた枚数のプリントを終えたら、いつでも帰宅していいしくみだ。教室滞在時間は1教科あたりおよそ30分。3教科であれば約1時間半、教室でプリントと格闘することになる。

 解き終わったら指導者に採点してもらう。100点が取れるまで何度でもやり直す。どうやって解けばいいのかは基本的に教えてもらえない。プリントの例題を見ながら自分で気付くしかない。『教えてもらう』受け身の学習ではなく、『自学自習』の姿勢を身に付けさせるのが公文式の狙いだ。

 宿題も出る。教室でこなすのとほぼ同量のプリントに、毎日取り組まなければいけない。そうやって家庭での『学習習慣』が身に付く。むしろ本来の狙いはそこにある。家庭での学習をベースとして、正しく学習が進められているのかをチェックするために週2回、教室に通うのだ」

 こうして物心つくころから公文式の学習法に慣れると、「与えられた課題はとにかくやるもの」という考えが染みつき、面倒くさくても逃げずに課題に取り組む忍耐力も鍛えられる、そして計算力に代表される処理能力も高くなる、とおおた氏は分析する。

 そして、実はこれは受験強者に求められる3条件にぴたりと合致するのだという。

「大量の課題をこなす処理能力と忍耐力、与えられたものに対して疑いを抱かない力である。幼少期から公文式に通うことで“受験エリート”に求められる能力の土台ができるのだ」

 もちろん、いいことばかりではない。弱点もあるようだ。土台を築くことはできても、「思考力は身に付かない」という声も多いのだという。