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韓国政府は、経営危機に陥った大手造船会社の「大宇造船海洋」に1兆2000億円に上る公的資金を投入しているほか、造船各社に対し手厚い保証金制度を設けるなど公的な支援を行っています。

日本政府はこうした支援によって、韓国の造船各社が安い価格で船舶を受注し、市場価格をゆがめているとして対応を求めてきましたが、先月下旬に行われた日韓の政府間協議でも、韓国側からは前向きな姿勢は示されませんでした。

このため日本政府は、韓国政府の対応がWTOのルールに違反しているとして6日、WTOの小委員会への提訴の前提となる2国間の協議を始めるよう韓国側に要請しました。

日本政府は、今後60日以内に2国間協議がまとまらなかった場合、小委員会に提訴する方針です。

日本政府は原発事故に伴う日本産の水産物の輸入規制など、WTOで合わせて3つの事案で韓国政府と係争中で、今回の件を提訴すれば4件目となります。

これについて韓国外務省のキム・ドゥクファン(金得煥)副報道官は、6日の記者会見で「日本側が2国間協議を提案してきた」と述べて、韓国政府の対応がWTO補助金に関するルールに違反しているとして、日本政府から、貿易上の紛争処理を行うWTOの小委員会への提訴の前提となる2国間協議を要請するという連絡を受けたことを明らかにしました。

会見では韓国の最高裁判所が太平洋戦争中の徴用をめぐる裁判で、日本企業に賠償を命じる判決を出したことに対する日本側の対抗措置ではないかという質問もありましたが、キム副報道官は、明確に答えませんでした。

これに対して、韓国の産業通商資源省は7日、声明を発表し、「支援は商業的な判断に基づいて行われ、国際規範に合致している」として、WTOのルールに違反していないという見解を示して反論しました。また、2国間の協議に応じ、日本側が指摘するような問題はないと主張していく方針を明らかにしました。

今後、2国間協議がまとまらず、日本政府がWTOの小委員会に提訴すれば、日本と韓国の係争は原発事故に伴う日本の水産物の輸入規制などに続き4件目となります。

 韓国大統領府の任鍾晳(イムジョンソク)秘書室長は6日の国会答弁で、「最近、一連の日本の政治的な行動は非常に不適切で遺憾だと申し上げなければならない」と述べた。

 任氏は今後の韓国政府の対応については「国務総理室が中心になり、どのような措置が正義を実現し、合理的なのか、戦略的な韓日間の未来志向的な関係をそのまま維持するのか点検している」と述べた。

 韓国外交省も6日夜、「最近、日本の責任ある指導者らが問題の根本を無視して、国民感情を刺激する発言を続けていることを非常に憂慮している」とするコメントを発表した。

 同省は「わが司法の判断に、節度もない表現で評価するなどの過剰な対応に、深い遺憾を禁じ得ない」と主張。「三権分立の基本原則に沿って、行政は司法の判断を当然尊重すべきだ。これは日本を含め、どの民主主義国も例外ではない」と指摘した。

 また、同省は日本政府に対し、「今回の事案を政治的に過度に浮き彫りにすることは、韓日関係の未来志向的発展に全く助けにならないということを、日本政府は明確に認識しなければならない」と警告した。

https://d1021.hatenadiary.jp/entries/2018/11/06(「徴用工」判決 日韓経済協会が政府と足並みそろえ対応確認)

韓国の最高裁が徴用をめぐる裁判で新日鉄住金に損害賠償を命じた判決を言い渡したことに対して、安倍総理大臣は「国際法に照らしてありえない判断だ」と批判しています。

これについて、北朝鮮の国営メディアを分析しているラヂオプレスによりますと、北朝鮮の対外向けラジオ放送「ピョンヤン放送」は6日夜、「想像を絶する苦痛を受けた被害者たちの損害賠償請求を無視し、正面から挑戦する破廉恥な妄言にほかならない」安倍総理を非難しました。

そのうえで、「判決を覆すことにより、日本政府と企業を相手取った強制徴用の被害者と遺族の訴訟が増えるのを防ごうとしている。徴用や性奴隷などの犯罪に対する日本政府の謝罪と賠償を受けるまで断固として闘う」としました。

今回の韓国最高裁の判決に関して、北朝鮮が公式に反応を示したのは初めてとみられます。

北朝鮮指導部としては、日朝首脳会談を模索する日本政府に対して過去の清算を求める立場を改めて示すとともに、非核化をめぐって駆け引きが続く中、今回の判決を評価する韓国世論と足並みをそろえる姿勢を示すことで、日韓の間にくさびを打ち込もうとする狙いもあるものとみられます。

韓国のムン・ジェイン文在寅)大統領は、来週シンガポールで開かれるASEAN東南アジア諸国連合に関連した首脳会合や、その後、パプアニューギニアで開かれるAPEC=アジア太平洋経済協力会議に出席する予定です。

大統領府の高官は7日、一連の会議に合わせてムン大統領と安倍総理大臣による日韓首脳会談を開催するのは難しいという見方を示しました。

韓国の最高裁判所は先月30日、太平洋戦争中の徴用をめぐる裁判で日本企業に賠償を命じる判決を言い渡しました。

日本政府は、判決は国際法に違反しているとして韓国政府に是正を求めるとともに、適切な措置が講じられなければ国際司法裁判所への提訴を含めきぜんと対応すると強調しています。
また、徴用をめぐる問題は解決済みとしてきた韓国政府は、首相の下、民間の専門家も交えて対応を検討する方針を示しています。

大統領府高官は「これまでの政府の立場と異なる司法判断が出たため、立場の整理には時間がかかる」と話していて、首脳会談の開催が難しくなっている背景には韓国政府が対応策の取りまとめに苦慮していることがあるとみられます。

日本は、自分の立場を明確にし続けながら、韓国政府を完全に敵に回さない外交を心がけるべきだ。そのうえで、韓国政府に解決策の提示を求めるべきだろう。

この問題は、基本的には、韓国の司法府によって引き起こされた、法律問題である。まず日本が注意すべきは、不用意に政治的に扱い、あたかも日本のほうが感情的になっているかのような印象を与えないことだ。

確かに、ムン・ジェイン大統領は、歴代の韓国政府の姿勢とは異なるニュアンスの発言をしてきている。しかし公式に請求権協定の見直しを表明しているわけでもない。

韓国における三権分立の原則を否定し、韓国の司法府の判断を理由にして、いたずらに行政府を責め立てることは、生産的ではない。日本の国益に合致しない。

まず日韓双方で正しい協定の理解を明確にする外交努力を払うべきだ。そして可能な「調整」策の提示を、韓国政府に求めるべきだ。

仮に、請求権協定によって日本に補償を請求する権利が消滅したとしても、個人が救済を求める権利それ自体は消滅しない、という議論に妥当性があるとしよう。それでも強制徴用の問題は政府の行為の問題だったことは強調しなければならない。

そうだとすれば、日本が主張すべきは、個人請求権が消滅したことではなく、万が一存在しても、その対処責任が、請求権協定によって、韓国政府に移っている、ということである。

財政措置なり、新たな立法措置なりを通じて、問題解決のための努力を払う義務を負う当事者となっているのは、韓国政府だ、ということである。「調整」のポイントは、その点の認識の明確化にあると思う。

文言を見れば、反対意見が妥当であるように見える。そもそも日本政府は、「植民地支配と直結した不法行為」という認定を認めない。そのうえで、包括的に「個人請求権」も請求権協定で扱われた、と理解している。歴代の韓国政府も、少なくとも個人請求権も請求権協定で扱われた、という立場をとっていた。

しかし今回の韓国大法院の判断は、両国行政府の伝統的な協定理解を否定した。それは文言上の解釈論のレベルを超えて、そもそも「植民地支配と直結した不法行為」に対する「個人の請求権」を、二国間協定で消滅させることはできない、という法理論によって可能になっているように見える。

請求権協定は個人請求を含んでいなかった、と解釈するのではなく、そもそも含むことができないので含まれていない、という立場を、韓国大法院は取ったのだと思われる。

つまり韓国大法院判決の意味は、「司法府は、法理論上、二国間の請求権協定では個人請求権を対象にできない、と判断する」というものである。

「請求権協定は個人請求権を対象にしていない」という解釈論ではなく、「請求権協定は個人請求権を対象にできない」という法理論であるがゆえに、歴代韓国政府の理解を簡単に覆すような判断ができたのだ。

しかも補償を要求する相手に新日鉄住金という私企業を選んだことは、「請求権協定は政府間協定なので、個人が私企業を相手に民事訴訟を起こす権利を侵害しない」という法理論に訴えようとする姿勢の反映であろう。

ただし私見では、この法理論は、大きな矛盾をはらんでいる。「植民地支配」はいずれにせよ国家行為である。したがって、その責任を私企業に帰して、損害賠償を命じるのは、根本的に矛盾している。

結局、韓国大法院は、個人の権利を、二国間協定よりも優先させる判断をした。これによって請求権協定が無効化されたわけではない。ただ個人救済を重んじる、という韓国司法府の判断が、明白化されたということである。

国連憲章にも定められている「主権平等」の原則、つまり主権国家はすべて平等であり、法の下で一方が他方に優越することはない、という理論により、主権国家は他の主権国家を国内法廷で裁くことができない。それが主権免除と呼ばれる国際法原則である(ただし不法行為が全て免責されるということではないので、実際には複雑な原則ではある)。

戦争犯罪をめぐる個人の責任と、国家の責任は、違う。

過去15年ほどの間に、セルビア大統領だったミロシェビッチリベリア大統領だったチャールズ・テイラーが国際戦争犯罪法廷によって訴追されて逮捕された事例が生まれてきており、国家元首ですら戦争犯罪を問われて裁かれることがあるという理解が国際法で確立されてきている。

しかし国家それ自体は別である。国家それ自体の戦争犯罪という考え方は国際法では確立されておらず、全く別の形で不法行為の責任が問われるだけである。

個人と国家は違う存在であるため、前者が問われる罪を、後者は問われない、という考え方を理解すると、今回の元徴用工の訴えが、日本政府ではなく私企業に対するものであったことの意味がわかってくる。

国際法判例集などには出てくる「光華寮事件」という有名な日本国内の判例を参照してみよう。

これは中華民国が留学生のために購入した宿舎の使用をめぐって起こした民事訴訟判例である。訴訟中の1972年に、日本政府が日中共同声明を通じて中国政府の承認の切り替えを行ったため、中華民国(台湾)の当事者能力が争点になった。

日本の裁判所は、「中華人民共和国が中国の唯一の合法政府であることを承認」した日本政府の立場を尊重しつつも、中華民国にも一定の実体があるため、民事訴訟における訴訟当事者能力は認める、という判断を行った。

政府間関係の理解の枠外で、民事訴訟の私人・非国家組織の関係がありうることを、日本の司法府が独自に判断したわけである。

国際法は、これを許容する。国際法は、一方的に国内法に対する優越を唱えて国内法を否定して見せる法体系ではない。むしろ国際法規範と国内法規範は併存しうる、と考えるのが、普通の国際法的な考え方である。いわゆる二元論的な「等位理論」である。国際法と国内法は、常に完全に一元的に一致するわけではないが、それは単に両者が異なる法体系だからだ、と認めるのが、「等位理論」的な考え方である。

国際法と国内法は、一致しないまま併存するがゆえに、調和を求める。しかし、時に逆に矛盾を抱え込み、義務の衝突をもたらすこともある。そこで必要になるのは「調整」である。「等位」理論は、必然的に「調整」理論のこととなる。

現在、日本政府が韓国政府に求めているのは、この意味での「調整」であると言えるだろう。

国際法を通じて韓国と接する日本政府は、したがって韓国行政府をただ責め立てるのではなく、その「調整」努力を支援し、促進していくべきである。

つまり韓国の国内法廷で私企業に負わされた責任は、国際協定の趣旨からすれば韓国政府が対応すべきものであり、それにしたがって韓国政府が財政措置や立法措置をとることを期待しなければならない。

日本における原爆被害者の例を見てみよう。

米国による広島・長崎への原爆投下は、国際人道法違反の疑いが強い。サンフランシスコ講和条約にかかわらず、国際人道法違反による不法行為に対する損害賠償請求は可能だ、という主張の余地は、理論上はありうるかもしれない。

しかし実際には、日本政府は、独自の被爆者救援制度を導入し、対応している。それは戦後国際秩序を尊重し、日本と米国の間の特別な関係に配慮して、米国に対する損害賠償請求の可能性を排除する要請と、被害者を救済する要請とを、「調整」している結果だと言える。

請求権協定を結び、それにもとづいて経済支援も受け取った韓国政府は、同様の措置をとる責任を負っていると解釈すべきだろう。

最近、日本の中国向けODAの終了が宣言されたが、経済支援には賠償の代替という意味もあった。その役割を中国側も評価する形での宣言となった。現時点では中国に賠償問題を持ち出す様子はなく、中国に対する経済支援措置は奏功したと評価できる。

日韓の請求権協定は、経済支援が主な内容となっていた。個人救済の必要性を否定することなく、日韓の間の請求権をめぐる紛争を防ぐのが、協定の趣旨なのだ。両国政府は、この協定の趣旨に、依然としてコミットしている。

日本政府が追求すべきなのは、こうした「調整」措置の可能性であると思われる。したがってまずは韓国政府が、そうした「調整」措置を取ってくれるかどうかを見守り、支援するべきだ。

韓国政府は、自国の大法院の決定を理由にして、国際法(二国間協定)遵守の義務の免除を唱えることはできない。韓国大法院も、請求権協定それ自体を否定したわけではなかった。ただ今回、韓国大法院は、自ら「調整」を試みることもはしなかった。

むしろただ伝統的な協定解釈を否定し、国際法に対する憲法優位説をとるかのように、「三・一運動によって建立された大韓民国臨時政府の法的伝統」にそった立場を選択した。

韓国外務省は7日午後、太平洋戦争中の徴用をめぐり最高裁判所が日本企業に賠償を命じた判決に関するイ・ナギョン首相の声明を発表しました。

この中で、イ首相は「日本政府の指導者たちが過激な発言を続けていることに深い憂慮を表明する。発言は妥当でも賢明でもなく、司法の判断に政府が介入しないのが民主主義の根幹だ」として、日本政府をけん制しました。

そのうえで「判決は1965年の請求権・経済協力協定を否定したものではなく、協定を認めたうえで適用範囲がどこまでかを判断したものだ」としています。

一方で、日本政府が求めている対応については「韓国政府の関連部署と民間の専門家たちの知恵を集め、対応策をまとめるために努力している。政府は被害者の傷を癒やすことに最善を尽くすだろう」として、具体的な中身について言及しませんでした。