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サウジアラビアの検察当局は15日、著名なジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏が先月、トルコの総領事館で殺害された事件の捜査結果を公表しました。

それによりますと情報機関により派遣されたチームがカショギ氏を本国に連れ戻そうと説得した際、麻酔薬を過剰に投与して死亡させたとしたうえで、その後、遺体を切断するなどした5人を実行犯と断定し、死刑を求刑したとしています。

これはサウジアラビア政府のこれまでの主張に沿う内容で、ジュベイル外相は会見を開き取り沙汰されてきたムハンマド皇太子の関与についても「絶対に何もやっていない」と述べて、これまでどおり強く否定しました。

事件をめぐってはアメリカのメディアが殺害に関与した1人が本国に電話で任務終了を報告する際、「ボスに伝えて」と話していたとして、ムハンマド皇太子の関与を指摘しています。

こうした報道についてジュベイル外相は「事件を政治問題化し、内政干渉する試みは拒否する」と非難しました。

サウジアラビア政府としては捜査結果の公表で改めて現場の暴走だったとするこれまでの主張を強調し、ムハンマド皇太子の関与を一切、認めずに幕引きをはかる姿勢を鮮明にした形です。

サウジアラビアの検察当局の説明によりますと、ジャマル・カショギ氏を殺害したのは、情報機関のアシリ副長官の命令で派遣された15人のチームのうちの5人で、当初の目的はカショギ氏の帰国に向けた説得でしたが、おとなしくさせるために麻酔薬を投与した結果、死亡させたとしています。

5人は死亡をアシリ副長官には伝えなかった一方で、隠蔽のために遺体を切断して外に運び出し協力者に渡したとしています。

また、ほかのチームの要員6人も防犯カメラを切ったり、カショギ氏の服やめがねなどを着用して総領事館から出てカショギ氏が立ち去ったように偽装するなど、事件に関与したとして合わせて11人を起訴しました。

また今回の事件では、ムハンマド皇太子の側近として知られるカフタニ元王宮府顧問が事前に派遣チームのトップに会い「カショギ氏が安全保障上の脅威になっている」として国内に連れ戻すよう求めていたとも明らかにしました。

事件を受けてアシリ副長官やカフタニ王宮府顧問はその後、更迭されましたが、検察当局はこうした経緯はムハンマド皇太子には一切、知らされていなかったとして、皇太子の関与を改めて否定しています。

https://d1021.hatenadiary.jp/entry/2018/11/05/200315(「皇太子は無実」サウジ “反皇太子” 王族も擁護 体制盤石)

アメリ財務省は15日、サウジアラビア人の著名なジャーナリストのジャマル・カショギ氏が殺害された事件に関わったとして、サウジアラビア政府の高官ら17人に制裁を科すと発表しました。

このなかにはムハンマド皇太子の側近として知られるカフタニ元王宮府顧問が含まれ、事件の計画に関わったと指摘しています。

ムニューシン財務長官は声明で「アメリカに住み、働いていたジャーナリストを標的にし、残忍に殺害した者は、その責任を負わなければならない」として、事件の真相究明を進める考えを強調しました。

トランプ政権としては議会などから対応が弱腰だと批判されるなか、厳しい姿勢をアピールする狙いがあるとみられますが、ムハンマド皇太子本人には一切、触れておらず、経済や安全保障面で結びつきの強いサウジアラビアとの決定的な対立は避けたい思惑もうかがわせました。

https://d1021.hatenadiary.jp/entry/2018/11/12/200241(サウジ記者殺害 米国務長官「関与した全員に責任とらせる」)