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 経団連に久々の“本格派”会長が誕生する。同会長人事は近年、本命候補が固辞するなどして2番手以下が就任するケースが続いた。だが今回は違った。大本命だった日立製作所会長の中西宏明氏がそのまま会長就任を引き受けたのだ。


 現会長の榊原定征氏は政府との関係修復を重視するあまり、「政権の言いなり」と批判されるなど存在感を発揮できなかった。

 あまり報じられていないが、中西氏は前述の会見で「原発再稼働は必須」とした上で、海外で再生可能エネルギーが急速に普及していることを指摘し、「(火力発電に依存した)電力政策では日本は世界から非難を浴びる。経団連はもっと積極的に発言していく」と決意を語った。

 決意表明はそれにとどまらない。AI(人工知能)などによる電力供給効率化に積極的な中西氏は、「(再生可能エネルギーを活用し)、分散電源化したときの新しい電力の安定供給の仕組みづくりで日本が世界に遅れる可能性が高い」との危機感を示し、「制度設計をちゃんとやり直さないと駄目だ」と言い切ったのだ。


 当然、電力業界には波紋が広がっている。日立再生の盟友である日立前会長の川村隆氏が東京電力ホールディングス会長を務めていることも衝撃を増幅させた。

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